基本のんびりな南国マレーシア。前回書いたように、予定は1日に1つくらいで十分です。
しかし、全てがのんびりかといえば、 驚くほど意思決定が早いな、と感じることも少なくありません。どんなときでしょうか。
消費税が1ヶ月でゼロパーセントに
マレーシアに来て驚いたのが、休日が突然決まることです。
スポーツの試合でマレーシアチームが大活躍して、「来週、休日にします!」ということもありました。ヘイズ(煙害)がひどくて「明日は全国で休校」という連絡が、前日の夕方に新聞に出て、慌てたこともあります。そして国民は慣れたもので、粛々と従っています。
2018年5月に行われた選挙。当時の野党(現在の与党)は「もし選挙に勝って政権交代したら、翌日と翌々日を休みにする」と約束していたのです。開票日の夜中、どうやらホントに政権交代したらしいと明らかになり、「……ってことは、今日は休日になるのかな?」と思っていたら、本当に当日に(!)休日になりました。
政権交代後、公約の「消費税の廃止」はいつ行われるのか?がマレーシア人の友人たちの間で話題でしたが、これもあっという間でした。
翌月の6月には消費税がゼロパーセントになると発表されました。そして本当に6月からゼロパーセントになりました。お店やレジに大きな混乱もなかったようです。9月からは公約通り昔のSST(売り上げ・サービス税)という税金が復活になりました。
こんな風に「いくら何でも急すぎるでしょ」ということが起きても、なんだかんだ言って、辻褄を合わせてしまうのです。一体中身はどうなっているのだろう?と不思議です。もちろん、やると言ってたことが実行されないことも多々ありますし、見えないところでトラブルも起きてるかもしれません。みんな「まあそんなもんでしょ」と落ち着いています。
たぶん、柔軟で寛容、あまり他人に期待しない国民性というのが大いに関係している気がします。失敗しても、文句をいう人が少ないのかもしれません。
チャットで物事が進みます
マレーシアで「遅い」と言われるのはとくに政府機関や銀行です。 ビザの申請や銀行口座の開設などには、本当に時間がかかりますから覚悟します。
一方で、日本よりも早くて便利だな、と思うこともあります。WhatsAppというチャットが流行っていて、いろいろなことが、チャットベースで進むのです。
先日、自動車保険の更新をしたのですが、これが簡単。メールで送られてくる更新書類に記入し、メールに添付して担当に送るだけ。ハンコもサインもいらないので簡単です。その日のうちに更新した保険証券のコピーがメールで送られてきました。
学校や不動産屋さん、仕事のやりとりも、ほぼチャットやメールで進むので、慣れると快適だなーと思います。最近、日本の銀行から「郵送でハンコを押して送ってください」と言われて気づいたのですが、マレーシアに来てから、郵送で書類を送るということをほぼしていません。平均年齢が若い国なので、ほとんどがチャットやメールで済むのかもしれないです。
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