若い人に、恋愛をさせるべきなのか
二村 婚活・妊活・少子化問題をご専門とするジャーナリストである白河さんに、なんでAV監督である僕の連載に登場していただくことになったのか、まずご説明します。そもそもは白河さんが常見陽平さんたちとやってらっしゃる『女子学サミット』というイベントを僕が聴きにいって、ご挨拶させていただいたのが発端で。
白河 その後、「非常識から常識を考える」というコンセプトで開催された『遊識者会議』というイベントに、私がお呼びして二村さんにゲストで来ていただいたんです。そのときに、いろいろお話をしたんですよね。
二村 お目にかかるまでは白河さんって「女の子も、人生をもっとマジメに考えなきゃダメよ! ちゃんとした企業で働いて、マジメな男性と何歳までに結婚して計画的に妊娠して! そうじゃないと日本がダメになっちゃう!」って主張されてる、こわいお姉さまだろうと勝手に先入観を持ってたんです。ところが実際にお話を聴いてみると非常にサバけた方で(笑)、恋愛とかセックスについてもすごくフランクに質問してくださったので、これは僕の連載にぜひ対談相手として出ていただけないかな……、と思ったんです。
白河 ありがとうございます。今日はぜひ、二村さんに「恋愛と結婚」について、いろいろとお話をお伺いしたくて! 実は、いま少子化対策でも「いかにして若い人たちに恋愛をさせるか」が大きな課題になっているんですよ。
—— 少子化対策で恋愛がテーマになるとは……。なぜ、そんなに若い人たちは恋愛しないんですか?
白河 5年前に山田昌弘先生と私とで提唱した【婚活】という言葉が、ここ最近あまりにも一人歩きしすぎて、「恋愛ぬきで結婚したい」という人が増えてしまったんですよ。婚活ビジネスなどの普及で、結婚するということがシステマチックになってしまい、皆さん「恋愛抜きで手っ取り早く結婚する手段がある」と錯覚しているんです。
二村 じつは僕は【恋愛って、得意な人と不得意な人がいて、恋愛は不得意だけど「子どもは欲しい」って人のために、恋愛結婚とは別のシステムはあったほうがいいんじゃないか】とも思っているんです。ただ、それと同時に【女性も男性も、痛い恋愛をしなくてすむ相手をもっと的確に見分けられるようになれば、もうちょっと恋愛と結婚〜出産が結びつきやすくなるし、恋愛が苦手な人も減る】のは確かだろうな、とも思います。
白河 みんなとにかく結婚「が」したいので、せっかく付き合ってもその人と結婚できないんだったら意味がないと思ってしまう。だから確実に自分と結婚してくれる相手にしか興味を持たないんですよ。ムダ撃ちして、時間を無駄遣いしたくないんです。
二村 慎重になりすぎると、よけい出会いが減って、さらに結婚できなくなる……、という悪循環も生まれてしまいそうですけどね。
純粋な恋愛は、不倫でしかありえない?
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