photo by 飯本貴子
カウンセラーは 魔法使いではない
茂木 一般的に、カウンセリングは、問題点を治したり、苦手なことを克服したりするための「外科手術」のようなものだと誤解している人も多いと思うんです。言い方を変えれば、「魔法使い」のようにクライエントの行動を変えることができると思っているかもしれない。例えば、「カウンセリングを受ければ、学校に行けなかった子どもが行けるようになる」というように。
でも、それは違いますよね。僕がカウンセラーに持っているのは、長谷川さんが今おっしゃったように、寄り添うとか、長く伴走していくイメージです。
長谷川 基本的に、例えば不登校なら「不登校だけを治せばいい」と考えるカウンセラーは少数派だと思います。でも、主訴を改善すればいいという考え方のカウンセラーもいる。
「主訴」とは、「これを治してほしい」というクライエントやその親御さんなどからの中心的な訴えです。学校現場で働くカウンセラーは、学校や教育委員会の要請に応えようとするあまり、少しでも教室に入れるようにしよう、少しでも保健室にいる時間を短くしようなどとして、助言的な関わりが増えてしまう場合もあるようです。
茂木 そんなカウンセラーさんもいるんですか。ちょっと驚きだなあ。 cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。