「人生の選択を誤った。死のう」とすら思いました
スイスイさん、いつも楽しく、そして噛みしめるように拝読しております。
スイスイさんの、いつも大きく手を広げて抱きしめて下さるような優しさと、深い洞察力に「こんな方が本当にいらっしゃるんだな」といつも心動かされています。
スイスイさんのような女性になることが、私の目標です。
私の悩みは、生後4ヶ月の自分の子どもを愛せない、ということです。長い相談文になってしまい申し訳ございません。
重すぎて誰に相談していいか、具体的にどうしたらいいかも分からず、苦しい日々を過ごしております。
私は、4つ年上の夫と3年前に結婚しました。お互い会社の同期として入社し、2年間の交際を経た後のことです。明晰で、優しく温かい夫のことを、本当に愛しています。
夫は結婚当初から、子どもが欲しいという旨を私に伝えて来ていました。
当の私はというと、人生の中で一度も「子どもが欲しい」思ったことはありませんでした。欲しいという響きに、人の命を所有したいというイメージがあり、それに抵抗があったからかもしれません。また、私のようなぐうたらな女(家事が苦手です)に子どもを育てるなどという大事業はとても無理、とも思っていました。
そして最大の理由として、仕事が楽しいということがありました。
今の部署に移って6年、「この会社に入ってよかった」と思えるほど強いやりがいを感じている仕事に、ブランクを作りたくないという思いが大きかったのです。でも、夫の願いを叶えたい、いや本音を言えば「叶えることが出来なければ捨てられてしまうかもしれない」という思いはずっと私の中にありました。妊娠前の2年ほどは、10人以上の友人や職場の先輩に「子どものいる人生ってどうなのか、実際大変じゃないのか」とインタビューをし続けていました。
すると「豊かな人生だよ」「出来たら可愛いって思うもんだよ」など、概ね子どもの存在を前向きに捉えるべき、あなたもきっとそうなるよという回答しか得られませんでした。
じゃあ、可愛いと思える方に賭けてみるしかない、と思って妊娠したのですが…。切迫流産に切迫早産での入院、妊娠初期から出産直前まで続いたつわりと、肉体、精神共にボロボロの状態で出産を迎えました。
そこから24時間育児がスタートし、命の危険すら感じる日々にあれよあれよと不眠症になり、現在は通院しています。現在は1年間の育休中です。
幸い、私の母が同居してくれており、とても献身的に育児を手伝ってくれているため(「あなたが育てられないなら、うちの養子にする」とまで言ってくれています)なんとかなっていますが、正直これまで何度も「人生の選択を誤った。死のう」と思いました。
実際家を飛び出したこともあります。
子どもを見ても「愛おしい」とか、「自分の命を賭してこの子を守りたい」とか、そういう気持ちが湧いてきません。恐ろしいことですが、面倒なものを産んでしまったなと思っています。
ヤバい女なんだろうなと思います。子どもを産んではいけない類の女だったと。
夫にも「あんたが望んだ子なんだからあんたが育ててよ。私は仕事に戻りたいの」と暴言を吐く日々です。夫は何も言い返して来ませんが、精神が摩耗している様子は見て明らかです。
夫とこんな関係になりたくはありませんでした。悲しいです。
こんな私が、子どもを愛せる日は来るでしょうか? 私に母親の資格はありますか?
もしスイスイさんのお目に留まりましたら、ご回答頂けると嬉しいです。
(あの日飛び出した此の街と君が正しかったのにね・32歳・女・会社員・ややメンヘラ)
ペンネームの気迫すごい。
椎名林檎嬢の伝説となるファーストアルバム無罪モラトリアムの一曲目。
「正しい街」の第一声を、正式表記でのせた気迫に負け、速攻回答かきはじめます。
つらさは箇条書き
心身ともにあまりに過酷だった妊娠生活、そこからはじまった怒涛の日々。
さらに覆いかぶさる深刻な悩み……。
すごくつらいよね。
つらさがひと塊になって視界を覆ってくるから全方位真っ暗みたいな。
〈子どもを愛せる日は来るでしょうか? 私に母親の資格はありますか?〉については後半触れるとして、まずそんなあなたのつらさ、箇条書きに分解してみるね。
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