小遣い制は
絶対やめろ
世間のサラリーマンには、奥さんに財布を握られている人が大勢いる。
稼ぎを妻に管理されている場合、自由に使えるお金は、小遣いだけだ。
男の方はその不自由を自虐的に受け入れ、限られたお金でやりくりするしかない状況を自嘲している。そんな世間の現実は、独身の若い男性にとって、結婚をためらう理由のひとつになっているだろう。
結婚を考えている恋人はいても、家庭を持ってから小遣い制にはしたくないのが、男の本音だ。
しかし「結婚したら旦那の稼ぎは自分が管理したい」派の女性は意外に多い。家計をどうかするかで、結婚前にもめて険悪になってしまうのは、よくある話だ。
たいていは説得するのが面倒くさくて、男の方が折れて小遣い制になる。
となると、もう最悪だ。会社での収入がいくら上がっていこうと、一生、使えるお金は妻に牛耳られ、子どもが生まれたり、家を建てる段階になると、さらに減らされるのが常だ。
小遣い制で暮らしているサラリーマンは、安い牛丼や500円ランチで日々の昼食を済ませ、小銭だらけの財布を覗いて、毎日ため息つきながら暮らしているのだろう。……どれだけマゾなんだと思う。
「家庭を支えている者の責任だから」という理由で、自分で稼いだお金を自由に使えない生活に耐えられる神経が、まるで理解できない。
普通の夫、普通のパパは、みんなそうやって耐えながら働いている、と言われる。どうして妻や子どもの犠牲になるのが普通なのだろう?
望まない犠牲を耐え忍んでいる夫や父親を、妻と子どもは愛せるのだろうか?
僕も昔、結婚してすぐ、当時の妻に「あなたの収入を管理します」と言われた。
何も考えてなくて、妻が夫のお金を管理するのが普通だという、意味不明な常識に沿って言ってるだけのような気がした。
目が、くらっとした。バカじゃないのかと呆れた。
結婚した20代前半の僕が、ビジネスで何億円のお金を動かしていると思ったのだろう。家計簿もろくにつけたことのない若い女性に、管理できるわけがない。そのように説得したのだが、なかなか聞き入れてもらえなかった。
あげく生まれてくる子どものために学資保険に入ってほしいなどと言いだし、頭を抱えそうになったことがある。……苦い思い出だ。
断じて言う。妻が夫のお金を管理する小遣い制は、普通ではない!
お金の管理能力の高い方が、お金を自由に使うのが、普通なのだ。
小遣い制を強いられるのはほぼ間違いなく、稼ぎが多い方だ。
たくさん稼いで、お金に対する知識の高い男が、自由に使えるお金を妻に制限されるなんて、普通であってはいけない。
稼ぎ差別をしているわけではない。
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