変人」レベルまで「好き」を突き詰めると、人生が楽しくなる【公開授業】

「夢は叶えなくてもいい」という、衝撃のメッセージから始まった心理カウンセラー・心屋氏の講演(前回はこちら)。メッセージの真意は、「夢とは『おまけ』のようにして、『たまたま』叶うもの。だから、夢が叶うための努力をするよりも、幸せな人生をつくることのほうが大事」というところにあった。
そして「夢が叶わなくても幸せな人生」をつくるには、つい「どうせ私なんか……」と自分を卑下してためらっていたことを、躊躇なくできる自分になること。低い自己評価を振り切る「じゃねーし!」「やる!」という合言葉も飛び出したところで、講演はいよいよ後半へ――。
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◆「おだし」のきいた、おいしい人生をつくっていこう

心屋仁之助(以下、心屋) (前回の続き)いかがでしょうか。「夢が叶わなくても幸せ」な人生をつくる、ちょっとわかってきましたか?
幸せって、ものすごく強烈で大きなものだと思っているかもしれないけれど、じつは本当の幸せって、決して派手ではない、なにげない幸せのこと。たとえば想像してみてください。「おだしをとっていなくて、具だけ張り込んで豪勢にしたおみそしる」と、「具は豪勢ではないけれど、しっかりおだしのきいたおみそしる」。

どっちのほうを、毎日食べたいか。

たとえば、毎日、伊勢海老やアワビの入ったおみそしるを食べたいって思いますか? 食べたい!っていう人もいるかもしれないけど、そういう人は置いておいて(笑) 
要するに、無理しない、がんばって盛らない、ただただ、いいおだしのきいた「おいしい人生」にしていこうよっていう話です。上ものだけ豪華に盛る人生よりも、大したものはない、だけど幸せ、といえる人生ですね。

大きな夢を追いかけることで、大きな幸せを求めるんじゃなくて、特別なことは何もない、何気ない日々の幸せをベースにする。努力の結果、得られる成果や実績などなくても、日々、自分の好きなこと、小さな好奇心を満たしていく。その行動を積み重ねていくということなんです。

—「夢が叶わなくても幸せな人生」とは、しみじみおいしい、滋味深い人生といってもいいのかもしれない。とはいえ、おだしをきかせ続けるにも多少の労力は必要ではと思えてしまう。人生のおだしが薄まらないように、日々できることはあるのだろうか?

◆夢を「何となーく見続ける」ということ

心屋 人間って意外と、自分のやりたいことでも、時間が経つにつれてテンションが下がってしまうもの。最初に「こうなったらいなあ」「これやる!」ってウキウキしたものが、だんだんトーンダウンしていきがちです。本当に興味を失ったのならかまいません。でも、本当は「こうなったらいいなあ」って思っているのに、日々の雑務や忙しさにかまけているうちに、そのウキウキを忘れてしまうことも多いんです。

よく「夢を手帳に書きましょう」などと言いますが、これには僕も賛成です。手帳でなくても、何かを「したい」「する」って思ったら、紙に書いて目につくようにしておく。といっても、紙に書くと目標が叶うとか、毎日、目にすることでモチベーションが保てるとか、そういう話ではありません。なぜ夢を紙に書くといいのかというと、紙に書いて毎日、目にしている時点で、じつは、うっすら夢が叶っているからです。

好きなものって、字面で見るだけでちょっとうれしくないですか? 僕だったら、「猫」っていう文字を見ただけでちょっとうれしい。あと「焼肉」っていう字を見るだけでも、ちょっとうれしい(笑) それと同じで、「こうなったらいいなあ」ということを紙に書いただけ、目にしただけでウキウキした気分になって、その瞬間、ちょっとだけ夢が叶っているんですね。

これは、夢をがんばって追い求めず、かといって夢を忘れもせず、ぼんやりと夢を見続けるということ。そうしているうちに、もしかしたら、本当に夢が叶う準備も整っていくかもしれません。

僕が武道館で公演できることになった理由の1つに、ずっとぼんやり思い描いていた、ということがあります。「武道館でできたら、おもしろそうだなあ……」なんて思って、いつもライブでお世話になっていたソニー・ミュージックエンターテインメントさんに毎年、冗談みたいに「武道館、空いてませんか?」って聞いてたんですね。
最初の反応は、「いやあ、それは……」という苦笑いでした。武道館で、チケットが売れるかどうかもわからない人の公演をするなんて博打は打てないから、この反応は当然です。

でも、そのあとも、僕は何となーく「武道館でできたらおもしろいだろうなあ」と思いながら、毎年、毎年、「武道館、空いてませんか?」と聞いていた。その間、Zeppツアーを2回、3回とやらせてもらった。そうしているうちに、最初はただの苦笑いの反応だったのが、「うーん、空いてませんね」「今年は埋まっちゃいましたね」というふうに徐々にニュアンスが変わっていって、そして2016年のあるとき、「来年の2月8日だったら、空いてます」って言われたんです。

たぶん、僕がZeppツアーを定期的に行ったりするのを見ているうちに、彼らのほうで「この人は武道館でやっても席が埋まるかもしれない」「じゃあ、空いたときに、やってみよう」という、暗黙の納得、許可みたいなものができたんでしょうね。

僕としては、「武道館に続く道だ!」と思ってツアーをやっていたわけではなくて、ただやりたいから、楽しいからやっていただけ。みなさんにもおすすめしているように、やりたいと思ったことを躊躇せず、好き勝手やっていた。でもそれが知らないうちに、武道館でやるための「準備」になっていたんじゃないかと思います。


だから、夢をがんばって追い求める努力はしなくていい。それで、叶っても叶わなくても幸せなんだけれども、継続的に思い描くことで夢が叶う準備が整っていく……ということもあるのかもしれない。そう考えると、「こうなったらいいなあ」ということは、1回や2回、実現しなくても、「やっぱりダメだよね」と捨ててしまわず、「こうなったらいいなあ」と思い続けることも大切なんじゃないか。そのための1つの方法として、紙に書くというのもアリなのかな、というわけです。

—うっすら夢が叶う幸せを味わうために、夢を紙に書く。そのときの幸福感もまた、おだしの一成分となって、しみじみとおいしい人生に溶け込んでいく。そろそろ講演も最終盤。ここからは、夢を叶えるあり方の総仕上げだ。

◆自分の力を過信しながら、「他力」を巻き込んでいく

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心屋仁之助先生・特別公開授業【夢の叶え方】

心屋仁之助

著書の発行部数は累計450万部、ブログの読者20万人、ポッドキャストのリスナー25万人、そして2017年には武道館での単独ライブを実現——などなど、数々の驚異的な結果を出してきた心理カウンセラーの心屋仁之助氏。このたび新刊『心屋流 ち...もっと読む

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sahya8 なぜ夢を紙に書くといいのかというと、紙に書いて毎日、目にしている時点で、じつは、うっすら夢が叶っているからです。 https://t.co/gLJBRbTxAU 1年以上前 replyretweetfavorite

toasty_day https://t.co/ZS5a9OQTay 1年以上前 replyretweetfavorite