なぜピエール瀧の作品に「罪はない」のか

ミュージシャンで俳優のピエール瀧が麻薬取締法違反容疑で逮捕されて約一週間。ピエール瀧が所属する電気グルーヴの作品が回収されたことを受け、ことなかれ主義だとか「音楽に罪はない」という批判が広がっています。今回の「ワダアキ考」は、そんな「音楽に罪はない」問題について考えます。

「坂本龍一さんも言っていますよ」的な記事

「音楽に罪はない、って坂本龍一さんも言っていますよ」的なメディアの記事を読む。「賠償額は◯億円になりそう。一方で、坂本龍一がCD回収に反対しています」といった記事には、その媒体がどう思っているのか、との視点が抜け落ちており、というか、意識的に抜いて落としているわけだが、つまるところ、逮捕から3日くらい経つと、番組や紙面・誌面を作る人たちが「よっしゃ今日もこのネタで埋められるぜ!」と意気揚々としている姿だけが見えた。

「この事態」ってどういう事態だろう

特定の被害者が存在しない罪を犯した人間が発表・参加していた作品に、罪はあるのかどうか。それはひとまず、作品を受け止める個々人で決めることだと思う。だからこそ、CDの出荷停止・在庫回収、音源の配信停止を決めたソニーミュージックが、いかなる理由で「音楽にも罪がある」と判断したのかを注視したいのだが、どうにもその理由が見えてこない。

発表された文面を確認する。
「この度、ソニー・ミュージックレーベルズの契約アーティストであるピエール瀧が、麻薬取締法違反の容疑で逮捕されたことにつきまして、ファンの皆様、関係各所の皆様にはご迷惑とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。この事態を厳粛に受け止め、本日より、弊社が取り扱うピエール瀧、及び電気グルーヴ関連の商品に関して、以下の通り対応いたします」
とある。「この事態」を厳粛に受け止めて停止・回収に踏み切ったそうだが、「この事態」ってどういう事態だろう。

「関係各所の皆様にご迷惑とご心配」
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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

byyriica 【読んだ】 27日前 replyretweetfavorite

byyriica 【引用】“なぜ中止かをちゃんと示さない社会は、人を立ち直らせようとしない社会に見える。” https://t.co/IyrPNFITXA 27日前 replyretweetfavorite

takikeisuke 土曜の朝からなんだけど、「ヤクザと憲法」、見たかったなあ。再上映してくれないだろうか… 3ヶ月前 replyretweetfavorite

yukino0505 #スマートニュース 3ヶ月前 replyretweetfavorite