おたのしみの時にする顔は
最後に「楽しい」って思ったの、いつだか覚えてますか。転職情報サイトのキャッチコピーみたいな感じで始めちゃいましたが、シリーズ女子と表情、「喜怒哀楽」のラスト、「楽」についてです。楽しい・HAPPYって感じでしょうか。そういうとみんなでワイワイ集まって騒いで盛り上がって心を開いてウェイSAY YO~みたいなイメージがありますが(中国語の表記も「開心」だったりするし)、楽しみというのは非常にパーソナルで閉じた面もあると思う。「楽しいときの表情」って、実は必ずしも笑顔じゃないじゃないすか。例えば私は「マウスクリックで間違い探しをする」という子供向けの毒にも薬にもならないwebゲームをやるのが大好きで一日のシメのリラックスタイムは必ずそれで遊んでいるのですが、マウスカチカチさせながらニコニコしているかというと、否なわけです。ハイパー無表情だし、なんなら口も開いてるし、空気の乾燥度合いによっては鼻もほじっている。そんな気の抜けた時間が人生には絶対必要で、というかそういう無表情口ポカ鼻ほじり要素がないと生きていくのは辛すぎる。
抜けるとき、抜けないとき
そう、「楽」という字にはHAPPYやFUNのほかにRELAXの意味もある。だらけきって、芯から弛緩した状態。女子の人生は緊張の連続だ。社会生活をおくるのに必要な最低限の緊張感プラス、犯罪被害や嫌がらせを避けるために警戒したり、女子のほうにより過重にのしかかってくるルッキズムに心身を削られたり、生活環境によっては自宅に居ても子供や家族・義理の家族の相手で気が抜けなかったり。そういう状態から開放されてでろんととろけきる時間を毎日確保できない人も、きっといると思う。想像するだにつれぇ。もしそういうひとがこのコラムを読んでてくれているのなら、せめてこの時間だけでも気を緩めて鼻くそをほじっていただきたいと心から思う。
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