まいどです! 野木志郎と申します。
職業は「パンツ屋」です。
パンツ屋風情が書く本をわざわざ手に取っていただいた皆さん、ほんまにありがとうございます。
そんな皆さんに、どうしてもはじめに伝えておきたいことがあります。それは、この本がビジネスの成功ノウハウを集めた本ではないということです。
そもそも私がこの本を書くきっかけとなったのは、創業時から私を支えてくれた2人の社員と私の3人ぽっちで販売をはじめた「包帯パンツ」が、なぜ累計130万枚も売れ、なぜ世界中のセレブや著名人に支持されるようになったのか。その理由を知りたいという出版社の方の熱意にほだされたからです。
とはいえ、社歴たかだか10余年の小さな小さな会社ですので、成功しているなんて口が裂けても言えませんし、そのように思ってもいません。というか私のこれまでを振り返っても、失敗、失敗、大失敗といった思い出ばかり。そんな私が成功のノウハウなんて語れるわけがありません。
「ちょっと待って。それはいいけど、そもそも包帯パンツって何?」
そう思っていらっしゃる方も多いでしょうね。包帯パンツとは、我が社が「SIDO(志道)」というブランドで展開する、文字通り包帯素材で縫製したパンツです。
包帯は医療用に作られたものですから網目が広く、蒸れることがない。さらに伸縮性が高く、体にフィットするのでズレ感もありません。とはいえ、包帯でパンツを作る(創る)など前代未聞でしたから、商品にするまでが大変でした。
ゴムなし包帯パンツ(前開き) 通常価格:3,780円(税込)
……という開発苦労話はこの本の主旨ではありません(笑)。
そもそも包帯パンツが誕生したきっかけは、忘れもしない2002年6月9日、サッカー・ワールドカップの日本vs.ロシア戦です。
サラリーマンをやめた時に餞別でいただいたチケットで、横浜国際総合競技場にこの試合を観に行った私は、稲本潤一選手のゴールを目の当たりにしました。
今までに感じたことのない、雷が落ちて全身が震えるような感動。
どばーっ!と飛び出る涙。
その時、こう決意したのです。
「彼らのように世界で活躍する『侍』を応援したい! 彼らのポテンシャルを十二分に発揮できるパンツを作ろう!」
その想いは当時も今も、まったく変わっていません。
私は苦心の末に包帯パンツを完成させ、それを販売するため2006年にログインという会社を設立しました。私が46歳になった年です。
包帯パンツは翌2007年11月に発売。以来、ありがたいことに世界中の著名人やセレブの方々に気に入ってもらっています。
ロバート・デ・ニーロさんやビリー・ジョエルさん、セレブが通う人気和食レストラン「NOBU」のオーナーシェフ、NOBU(松久信幸)さん。マドンナのバックダンサーに穿は いてもらったこともあります。
国内でも、俳優の渡辺謙さんをはじめ、サッカー解説者の水沼貴史さん、ミュージシャンの上田正樹さんや村上〝ポンタ〞秀一さん、作家の小山薫堂さんや和紙作家の堀木エリ子さんなどなど、書き出したらきりがないくらいです。
本当に皆さんありがとうございます!
ちなみに、「NOBU」の共同経営者としても知られているロバート・デ・ニーロさんに包帯パンツを穿いてもらえたのは、NOBUさんのおかげです。
デ・ニーロさんは2013年11月、映画『マラヴィータ』のプロモーションで来日しました。その時、私はデ・ニーロさんのために特別に作った包帯パンツ―ウエスト部分にRobert De Niroを表す「BD(Robertの愛称はBob)」と入った特注品―をNOBUさんに託し、都内のホテルに宿泊しているデ・ニーロさんに手渡してもらったのです。
後日、NOBUさんから「穿き心地いいねって言ってたよ」と聞き、心の中で「うっしゃ!!」とガッツポーズを取ったのを今でも覚えています。
なぜ包帯パンツは、そのような著名人に穿いてもらえるようになったのでしょうか。
おそらくそれは私のちょっと変わった人間関係のおかげではないかと思います。日々ビジネスをする中で、紹介がさらなる紹介につながり、評判がさらなる評判に連鎖することで、結果的にロバート・デ・ニーロさんやビリー・ジョエルさんに行き着きました。
仕事はひとりでは絶対にできません。周りの人に助けられながら努力を重ねてやっていくもの。私はそう思っています。
その周りの人とどうやってつながっていき、信頼関係を構築していくのか。そして、どうやってそのつながりをひろげていくのか。ビジネスだけでなく、人生を楽しむためには一体どうしたらいいか。
それらを、私の自身の(失敗も含めた)包帯パンツ開発にまつわる経験や、包帯パンツを通じて出会った大切な人たちの行動、そして発言を中心に、まとめさせていただきました。
これらのノウハウは冒頭でも申し上げた通り、成功するためのものではありません。
ビジネスを成功させるのも、ひろげるのも「人」です。この「人」と「人」とのつながりから、すべてが生まれます。会社というものを構成しているのが「人」であるかぎり、会社と会社をつなぐのも「人」なのです。
だとすれば、その「人」に、魅力があり、信頼ができ、可愛げがあるとしたら、どうでしょう? つながってみたいと思いませんか?
また、そういう「人」がいれば、周りに紹介したいと思いませんか?
この本にはそんな「人」に愛され 、魅力があり、信頼でき、可愛げのある「人」になるためのノウハウが詰まっています。
これらのノウハウが、皆さんのつながりをどんどんひろげ、さらにわくわくするような仕事につながっていくことに少しでもお役に立つのならば、こんなにうれしいことはありません。
それでは、しばしの間、お付き合いいただければ幸いです。時に暑苦しいオヤジの戯言も混じっていますが、何卒お許しくださいませ。
つづく
次回すぐに公開しまっせー。ちょっと待っててや~~~。
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