私が勤務しているクリニックの小児科には、1日50 人から100人近くの赤 ちゃんや子どもたちがママやパパ、おばあちゃん、おじいちゃんと一緒にやっ てきます。
生後6〜7カ月、9〜 10 カ月健診に訪れる親子もいれば、子どもが熱を出した、 せきで眠れない、お腹が痛い、じんましんが出たなど、さまざまです。
しかし、
具合が悪そうなのは子どもだけではありません。
ママも見るからに元気がなく、向かい合ってお話をしているときなど、
「このお母さんはずいぶん疲れているな」
と感じることがよくあるのです。
いろいろ話を聞いてみると、「心が折れそうです」と
「もうずいぶん長い間眠れていないんです」と訴えるママ。
そんなママたちに「大変ですよね。よくがんばっていらっしゃいますよ」と声をかけると、ポロポロと涙を流されます。
泣きたくてもつらくても誰にも 言えず、ずっとがまんしてきたのでしょう。
ママたちはお産直後から数時間おきの授乳やおむつ交換で寝不足が続き、そのうえ、
精神的にも肉体的にも、限界ギリギリまでがんばっているのです。そんなママたちの心の悲鳴をいくつかご紹介いたします(私自身が経験した つらい体験も
お悩み事例➊ 離乳食作りはこんなに大変!
マニュアルどおりに進めることなんてできない!
「さあ、離乳食作りがんばるぞ!」とはりきるママ。
離乳食のレシピ本や雑誌、ネット情報は山ほどあります。
解説文に
だけど実際に作ってみると、全然うまくいかないんです。
「5〜6カ月はゴックン期、7〜8カ月はモグモグ期、9〜 11 カ月はカミカミ期、 12 〜 18 カ月はパクパク期。成長段階によって食材や調理方法を変えましょう」
と多くの本に書いてあります。
これがやたらと細かい!
タンパク質が何gだの米が何gだの
何を言っているのかよくわかんないんです。
「本のとおりに進めたい」
「進めないと遅れているということになる」
「これを食べなければ
と思い込み、
とにかく必死になっているママたちは、
「うちの子、もう9カ月なのにモグモグできません。だいじょうぶでしょうか?」
「うちの子、お米は 80 g食べるのですが、タンパク質は 10 gくらいで食べなくなることもあり、心配です」
などと自分を追いつめ、不安でいっぱいになっています。
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