「ゲームのルール」を知っているか——2007年、35歳、手に入れた資産はガッチリ守る
私はかつて借金が500万円以上あった。しかし、その後の10年間で資産を1億円にまで増やすことに成功した。今ではお金に困ることはまったくない。お金のために働くステージはとっくに卒業している。 「そんなことが可能なのか?」と思われたかもしれない。 心配は無用。可能だ。
この連載では、私がドン底だった時代にどんな本を読み、そこからどんな知恵を授かり、どう行動し、その結果どんな変化が起きたのか? そのすべての歩みをご紹介したい。 私は多くの本を読み「お金のプロフェッショナル」たちの知恵、哲学、ノウハウのエッセンスを抽出した。
すると、共通する「法則」が浮かび上がってきた。 それを私は「1億円の法則」と名付けた。 この法則をきちんと理解すれば、私が 10 年かけてきた試行錯誤で得た成果をこの1冊であなたは手にすることができる。
法則32 投資信託の購入時はコストに注意する
「インデックス・ファンド」を購入することを決めたが、私は商品選びに頭を悩ませていた。
ひとくちに「インデックス・ファンド」といっても、TOPIXや日経平均、外国の株式指数など、さまざまなインデックスに連動する商品が発売されていたからだ。
いったい何を基準に購入したらいいのだろう?
そんなときに役立ったのが『投資信託にだまされるな!──本当に正しい投信の使い方』だ。
本書は、日本の投資信託にある多くの「罠」を紹介。それを見破り、良質な投資信託を選ぶ方法を教えてくれる。現在は、改訂版の2010年版も出ている。
同書には、投資信託を購入するときの明確な基準が提示されていた。
「信託報酬」年1%未満、販売手数料ゼロの商品を選ぶ。
投資信託というのは、さまざまな手数料がかかる商品だ。特に日本の投信は、諸外国に比べて手数料の高いものがとても多い。
まずは「信託報酬」だ。 これは毎日、基準価額から差し引かれる。信託報酬が高いと、それだけ次に運用できる額が少なくなってしまう。運用額が少なくなると当然、そのぶんだけ運用成績も上がりにくくなる。 信託報酬が年1%未満の投資信託と、年1・2%の投資信託であれば、前者のほうがいい成績を出せるのはあきらかだ。
さらに、「インデックス・ファンド」は、TOPIXなどの指数に連動するだけなので、信託報酬が高いからといって、いい運用成績を期待できるわけではない。誰がやってもほぼ同じ結果になるのだ。 プロの腕に頼る「アクティブ・ファンド」ならまだしも、「インデックス・ファンド」の場合、信託報酬が安ければ安いほど得になるのだ。
販売手数料についても、同様のことが言える。 アメリカでは、すでに販売手数料無料(ノーロード)の投資信託が主流となっている。日本ではまだまだ有料のところが多いが、ネット証券を中心に販売手数料ゼロの動きが広がっている。
大切な資金から、数%といえども販売手数料を差し引かれるのはナンセンスだ。少しでも多くのお金を資産運用に回すほうが賢明である。
では、どうやって信託報酬1%未満、販売手数料ゼロの販売会社を選べばよいのだろうか。
同書では、インターネット上の価格比較サイトの活用をすすめている。
たとえば、「モーニングスター」(http://www.monringstar.co.jp)や「投資信託協会」(http://www.toushin.or.jp)などのサイトを活用するのだ。
私は、こうしたサイトをじっくり見比べて、できる限り販売手数料無料(ノーロード)の商品を選んだ。 「インデックス・ファンド」は長期運用が基本だ。商品を選ぶときには、夫や妻を選ぶような気持ちで「ムダづかいをせず、堅実にお金を増やしてくれそうなタイプ」を選ぶことが大切だ。
ポイント:なるべく手数料の安い商品を選ぼう
法則33 「ローコスト投資」で資産運用をする
どの「インデックス・ファンド」を購入しようかと悩んでいたとき、『投資信託にだまされるな!』の中に紹介されているある投信が目についた。
「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」
この投信は販売手数料無料(ノーロード)で、信託報酬率が総額で年0・78%程度。まさしく私が理想としていた「信託報酬1%未満、販売手数料ゼロ」という商品だった。
発売しているのは、当時まだ設立されたばかりの「セゾン投信」という会社だった。この商品は、原則として米国バンガード社が設定した7本の「インデックス・ファンド」に投資する「ファンド・オブ・ファンズ」という名前の投資信託だ。
これ1本で世界30カ国以上の株式と10カ国以上の債券に分散投資できる。
「ファンド・オブ・ファンズ」とは、投資信託の運用会社が別の投資信託を複数買って運用するというタイブの投資信託のことだ。それぞれの投資信託商品の長所と短所を補う組み合わせをするなどして、投資信託の選択肢を広げる役割を担っている。
通常、ファンド・オブ・ファンズはいろんなファンドを購入してひとつの投資信託にするという構造上、手数料が2重にかかって割高になることが多いのだが、この投信はどういうわけか非常に割安に抑えられている。その点も大きな魅力だった。
早速、セゾン投信が開いている投資セミナーに参加してみることにした。 私は投資商品に興味を持ったときには、販売会社が開くセミナーにできる限り参加するようにしている。
資料をただ眺めて思案しているより、セミナーに足を運んだほうが、生の商品情報を1度に得ることができるからだ。 投資するときに大切なのは、このようにセミナーに通ったり、書籍などで情報を集めたりするなどして、できるだけその仕組みを「自分の頭で理解する」ことだ。
『バビロンの大富豪』には黄金の法則として以下のような言葉が登場する。
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