「お金の流れ」を変えなければ 貧乏のまま
——2002年、30歳、お金持ちになる方程式に出会う
私はかつて借金が500万円以上あった。しかし、その後の10年間で資産を1億円にまで増やすことに成功した。今ではお金に困ることはまったくない。お金のために働くステージはとっくに卒業している。 「そんなことが可能なのか?」と思われたかもしれない。 心配は無用。可能だ。
この連載では、私がドン底だった時代にどんな本を読み、そこからどんな知恵を授かり、どう行動し、その結果どんな変化が起きたのか? そのすべての歩みをご紹介したい。 私は多くの本を読み「お金のプロフェッショナル」たちの知恵、哲学、ノウハウのエッセンスを抽出した。
すると、共通する「法則」が浮かび上がってきた。 それを私は「1億円の法則」と名付けた。 この法則をきちんと理解すれば、私が 10年かけてきた試行錯誤で得た成果をこの1冊であなたは手にすることができる。
法則8【人生を経済的な面から見れば 一種の「ゲーム」】
ブランドものは買わない。ギャンブルはやめる。飲み会は1次会まで。私は、月何十万円ものムダづかいのぶんのお金を、すべて借金の返済にあてることにした。
もともと月50万円もの給与をもらっていたため、浪費していたお金を返済にあてることで、順調に借金は減っていった。 しかしちょうどそのころ、地元で保険代理店を営んでいる父が病気で倒れてしまった。命に別状はなかったが、家業は両親だけで切り盛りしていたため、業務に支障が出始めた。
母は私に「家業を継いでくれ」と懇願した。 私は、家業を継ぐべきかどうか迷った。塾講師の仕事には、やりがいを感じていたし、これが自分の天職だとも思っていた。
一方、保険の仕事は、まったくの畑違い。知識もないし、おまけに興味もない。 でも、やはり父の体のことは心配だ。私は、今の仕事に後ろ髪を引かれながらも、結局、家業を継ぐことに決めた。 「保険の営業マン」という、私の第二の人生が始まった。
職場が変わったことで、よく一緒に飲んでいた同僚たちとも疎遠になった。
これでますます借金返済が進むはず……だったが、人生そんなに甘くはない。借金返済が進むどころか、逆に返済に窮するようになってしまったのだ。
それはなぜか?
「収入が激減」してしまったからだ。 学習塾の仕事を辞めてから、仕事を覚えるために保険会社の研修に通い始めていた。その研修中の給与は、わずか手取りで10万円ちょっと……。 塾講師時代の5分の1の給料だ。これでは借金の返済は進まない。 窮地に陥ったときに頼りになるのが、先人の知恵である。
そのころに出会ったのが『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方──知的人生設計入門』だった。本書をシンプルに説明するならこうだ。 「日本の法律や税のシステムには多くの『歪み』が生じている。その『歪み』を逆手に取って、人生を賢く設計し、お金持ちを目指そう」 著者の橘玲氏はこんなことを言っている。
人生を経済的側面から考えるならば、「売上」と「支出」を管理し、「利益」を最大化する一種のゲームである。
ゲームを楽しむためには、ゲームのルールをよく知らなければならない。 まさにそのとおり。
私たちは「資本主義」というシステムと「日本の法制度」の下で働いているにもかかわらず、その仕組みをあまりに知らなすぎる。いわばゲームのルールを知らないままでゲームに参加しているようなものだ。『金持ち父さん貧乏父さん』にもこう記されていた。
「法律を知らないと高くつく」と。 「この本が、手取り10万円のピンチから救ってくれるかもしれない!」 私の期待は高まるばかりだった。
ポイント:「ゲームのルール」を熟知しよう
法則9【運命は操れないが、 お金だけは操ることができる】
『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』で提唱されている価値観が「ファイナンシャル・インディペンデンス(経済的独立)」だ。
人生を経済的側面だけに限定すれば、その目標は「経済的な独立(ファイナンシャル・インディペンデンス)」を獲得することと言えます。
「経済的独立」とは、簡単に言えば、誰にも依存せずに人生を自由に設計するだけの十分な資産を持つことです。 世の中「お金」だけで幸せにはなれない。けれど、誰にも依存せずに人生を自由に設計できるだけの資産を持てば、お金を得ることに人生の時間を割く必要がなくなる。
やりたいことが自由にできるようになるよ、というのだ。 では、どれくらいの資産を持てば人は自由に生きられるのか? それは「もし仕事を辞めたとしても、毎月の支出をまかなえるだけの資産を持つこと」だという。そうすれば、給与収入がなくても資産が生み出すキャッシュフローだけで生活できるようになる。
十分なお金があれば、会社や誰かに依存することなく、自分の力だけで自由に生きられる。人生を思いのまま、自由に設計できるわけだ。
「経済的独立! なんて素晴らしい響きだろう!」
経済的独立を達成しさえすれば、気乗りしない家業を継ぐことからも、借金まみれの生活からも逃れられるのだ。
「ファイナンシャル・インディペンデンス(経済的独立)」という新しい価値観は、今まで眠っていた私の目を大きく開かせた。
本書にはこんな勇気づけられる言葉も登場する。