つい最近まで“食える”とされていた能力でも、今ではさほど価値がない──。
産業構造が変わり、技術が進歩することで、社会が変わったり、スキルが大衆化したりすることがある。必死に身に付けた能力やスキルも、長期的に見れば陳腐化してしまうリスクが避けられない。

かつて経理職員に必須だったそろばんの能力も、電卓の登場で不要になった。特殊な能力を持つ職業の一つだったタイピストは、誰もがワープロ、パソコンを扱う時代になり、ほぼ絶滅状態。独特の“技”で売買注文をつないでいた証券取引所の「場立ち」も消えて久しい。
変化の激しい現代だけに、こういった能力の陳腐化スピードは今後さらに加速しそうである。