坂爪真吾
私たちは結局、自分自身とセックスしたい=つながりたいのかもしれない。
孤独や虚しさの渦中にいる時は、今の状態が永遠に続くかのように錯覚しがちです。独りよがりの義憤に駆られて社会への呪詛を唱えたり、誰かや何かを貶めることで自己肯定するといった、他責思考に陥ったことはありませんか? 坂爪さんは孤独から抜け出す武器をどのようにして手に入れたのでしょうか? 『孤独とセックス』も読んでね。
●自分で設定した問いを自力で解く
不可能に思えた東大合格という目標をどうにか達成したこと、それに伴うカタルシス(精神の浄化)の獲得によって、16歳の時から3年以上にわたって続いた私の孤独な生活は、ようやく終わりを迎えました。「自分で設定した問いを自力で解く」という課題をクリアしたことで、ようやく「大学」そして「東京での新生活」という社会につながることができたのです。
「自分は悪くない。悪いのはあいつらだ」といった自己防衛のための他責思考にすがったり、他者と自分を比較して「みんなに比べて、自分はダメだ」と落ち込んだりせずに、「周りがどうであろうと、自分は自分でOK」と自信を持って言えるようになった。
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この連載について
坂爪真吾
高校の三年間、友だちは一人もできなかったし、恋人も作れなかった。恋愛もセックスも何一つできなかった。一発逆転を賭けて東大を目指すも、センター試験は全教科白紙で提出。すべてから逃げ出した坂爪少年は「卒業式が終わったら、自殺しよう」と決意...もっと読む
著者プロフィール
坂爪真吾(さかつめ・しんご)
1981年新潟市生まれ。一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。東京大学文学部卒。
新しい「性の公共」を作る、という理念の下、重度身体障がい者に対する射精介助サービス、風俗店で働く女性の無料生活・法律相談事業「風テラス」など、社会的な切り口で現代の性問題の解決に取り組んでいる。
2014年社会貢献者表彰、2015年新潟人間力大賞グランプリ受賞。
著書に『セックスと障害者』(イースト新書)、『性風俗のいびつな現場』(ちくま新書)、『はじめての不倫学』(光文社新書)など。