実家暮らしでお金に困る理由
カフェで編集者と打ち合わせをしていると、実にいろんな会話が耳に入ってくる。
一週間ほど前、こんな話が私の興味を誘った。
A:ねえねえ、そのバッグ買ったの?
B:うん、このあいだのボーナスで思い切って買っちゃった。
A:いいなあB子は。私なんかそんなお金ぜんぜんないよ。
B:何言ってんの。あなた、親と同居してるんだから、お金ないなんてことないでしょ。
A:だってないものはないんだもん。今月だってあともうこれしかないんだよ?
B:え! うそ! まじで?
A:まじだよ。
B:え──、どうすんの? それで生活できんの?
A:だから私実家だし。ご飯とか寝るとこはあるから。
B:あ、そっか。心配して損した。
A:損したってなんなのよ!
聞いていた私としては、実家暮らしのAさんがおおいに心配になったわけだ。
一般的に考えて、親と同居している人と一人暮らしの人を比べたら、親と同居している人の方がお金を貯めているイメージがある。
親との同居はなによりも家賃がかからないし、電気・ガスなどの光熱費もかからない。
しかも親と一緒に食事をすれば食費すらかからないわけだから、これはもう収入のほとんどを貯金にまわせるのではないかと考えてしまう。
しかし、これだけ恵まれた環境にいながら、彼女はなぜお金に困っているのだろうか?
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