人は負の感情に支配されるとムダ遣いする
なかなかお金が貯まらないのは、「お金をムダに使ってしまうせいだ」ということはわかりきった話だ。
では、どういうときにムダ遣いするかといえば、そのときの感情と密接な関係がある。
人は、冷静なときはあまり散財しない。
お金をムダ遣いしやすいのは、「冷静でないとき」「感情がたかぶっているとき」が多いのだ。
特に「負の感情」に心が支配されてしまったときに、人はムダ遣いしやすい。
会社で上司の指示どおり仕事をしていただけなのに、プロジェクトが失敗したとたん自分のせいだと責任をなすりつけられた。
満員の通勤電車で立っていたら、ぐいぐい押されたうえに、反対側にいた人たちに自分が押している張本人だと思われてにらまれた。
高級レストランで30分以上も待ってようやく出てきた料理がたいしておいしくなかった。
節約を続けてようやく買ったお気に入りの車が、初日に傷つけられた。
人生のさまざまな場面で「腹が立つ」のはよくあることだ。
そこで冷静さを失い、「負の感情」が噴出してしまったら、たいていの人はその気持ちを発散するために、ふだんとは違う行動に出てしまう。
ある人は、ギャンブルに走って気持ちを発散するかもしれない。
ある人は、買い物で気持ちを晴らそうとするのかもしれない。
だが、ギャンブルをしたところで、ほとんどの場合がお金を散財したという事実しか残らない。
買い物に走った人は、家に帰ってからいらないモノを買ってしまったことに気づいて、自己嫌悪におちいるだろう。
それらの衝動的な行動では、負の感情を発散するどころか、ますます深みにはまってしまうことの方が多いのだ。
だからといって「腹を立てずに生きなさい」と言われても、人間なんだからそれはムリ。
こんなとき、何か良い解消法はないのだろうか?