テレビを捨てて本を読め
「そんなものばっかり観てないで、早く宿題をやりなさい!」
子どもの頃テレビを観ていると、母親からよく叱られたものだ。
だが、そんな声など耳に入らないかのように、私はお笑い番組を観て大爆笑し、歌番組で好きなアイドルにくぎ付けになり、スポーツ番組で手に汗を握った。
私の子ども時代、テレビはいつも、最先端の情報を与えてくれる魔法の箱みたいだった。
今、私の家にテレビはあるが、「観たい」と思う番組はほとんどないし、実際にテレビをつけることもあまりない。
「田口さん、今流行っているあのドラマ、観てます? おもしろいですよね!」
などと話をふられても、まったくついていけない。
なぜ、こんなにもテレビを観なくなってしまったのか──。
私自身が大人になり、「情報の受け手」から、「情報の発信者」になったことが大きな要因だろう。
人は多かれ少なかれ、大人になると「情報の受け手」から「情報の発信者」になる。
たとえば、幼い頃お笑い番組が大好きだった子どもは、大人になってコメディアンになり、今度は「笑う側」から、人を「笑わせる側」に立つかもしれない。
また、スポーツ番組が大好きだった子どもは、大人になったらプロのアスリートになって、自分が「熱狂する側」から人を「熱狂させる側」になっているかもしれない。
このように、「情報の受け手側」にいるよりも、「情報の発信者側」に立つほうが何倍もおもしろいし、やりがいだってある。
もちろん、誰もが有名なコメディアンや一流のアスリートになれるわけではない。
しかし、どんな小さな情報発信でもかまわないのだ。
想像してみよう。
タレントが温泉めぐりしている番組を観るより、自分が温泉に行き、その良さを味わい、ブログやFacebookで人に伝えるほうが何倍もエキサイティングだろう?
大人になったら、自分自身が次世代に向けて「情報を発信する側」に立とう。
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