お金をどこか汚いモノとする日本人
友人のお見舞いのために病院を訪れたときのことだ。
待合室で座っていると、隣で話をしている中年女性2人の会話が聞こえてきた。
A:鈴木さんの旦那さんが倒れたときはビックリしちゃったわよ、ほんと。
B:あんなに元気だったのにねえ。
A:それで、治療費を聞いたらもっとビックリしちゃってさ。
B:いくらくらいかかるの?
A:それがね、〇〇万円だって。
B:いやだ、高いわね。
A:そうなのよ。保険がきかない治療を受けるんだってよ。
B:お父さんに〇〇万円もかけるなんて、うちじゃ考えられないわ。
A:そうそう、まったく! 災難よねえ。
私はなんだか、いたたまれなくなってすぐにその場を離れた。
友人を見舞っているときもおばちゃん2人の会話がずっと耳に残ったままだった。
日本人は、どうもお金に関する「前向きな話」をするのが下手なようだ。