オレは子供のうちから下ネタに慣れ親しんできた〜「映画秘宝」の有効的な使い方〜

美人東大卒弁護士という華やかな肩書きと裏腹に、常識が通用しないぶっ飛んだ奥さまと、1歳2カ月の息子を育てる樋口毅宏さん。2017年3月前半の日記をお届けします。

2017年3月1日

かず喋れるようになるかなあと不安な日々。

一緒にお風呂に入ったときに歯磨きをしようとするも、嫌がるので歯ブラシを渡す。とりあえず口に頬張ってモゴモゴやる。

気が済んだところを見計らい、こちらで歯磨き。ギャン泣きするので「パパはかずが憎くてやってるんじゃないからね!」と言い聞かせる。それでも泣き止むことはないが。

ご飯をあげるときも集中できるようテレビを消して、テンポよく。途中飽きるので根気強く。その後、大人のような太いクソをひり出す。

無邪気にケラケラ笑う。どんどん表情豊かになってきた。

3月2日

情操教育の一環として「映画秘宝」の松方弘樹さん追悼グラビアを切り取って壁に貼る。ほら、『仁義なき戦い』で「ケンカはいつでもできますけんのお」って目がイッちゃってるあのヤバいやつ。かずふみは不思議そうな顔で見ている。

「かず、ここまで好きに生きていいからな。まわりはみんな大迷惑だろうけど」

人としてたくましく生きていってほしいので、やはり『仁義なき戦い』の名セリフを今から教え込む。

「言うなりゃあ俺らはおめこの汁でメシ食うとるんで」

「わしら美味いもん食うてよ、マブいスケ抱くために生まれてきとるんじゃないの」

どうしても千葉真一演じた大友のセリフばかりになる。

ふさこが呆れる。

「私が妻で良かったよね。絶対嫌がる奥さんいるよ?」

「そんなスケと所帯なんぞ持つかい。どうせまずいオメコ汁やで」

子供の前で卑猥な言葉を言うなんて虐待だ! とかほっとけ。おいらの親は全然オープンだったよ。子供のうちから下ネタに慣れ親しんできたからおいらみたいな偉大な作家が生まれたのだ。

3月3日

かず人生初カルピス。眉間に縦皺を寄せる。

台所の下を漁り、鍋のフタをシンバル代わりに叩く。大人のマネというか、お手伝いがしたいようだ。ゴミ袋を持ってくるが散らかすだけ。でも可愛いから許す。

3月4日

週刊ポストの酒井に、かずふみや、他の子の写メを見せていたら、呆れられてしまった。

「よく他人の子供まで可愛いと思えますね」

きょとん。ちなみに酒井にもお子さんがいる。

そうか、これは年齢の差だわ。自分も30とかで人の親になっていたらこんなに子供を可愛いと思っていなかったかもしれない。当時は子供が欲しいなんて考えたこともなかったし。

フリッパーズ・ギターの頃は虚無主義だった小沢健二でさえ、いまは子供が可愛くて仕方がないのが伝わってくる。

水道橋博士のお子さん3人の可愛がりようといったら。

先日も伊集院光の朝のラジオに松たか子がゲストで出ていたとき、「私より父や夫が可愛がっています」と発言していた。

夫は佐橋佳幸(渡辺美里のギターリストが市川染五郎(当時)の娘と結婚するなんて中学生の頃は想像もつかなかった)。50を過ぎてできた子なんてそりゃ可愛がるし、子煩悩になっちゃうよなあ。あーわかります。

3月5日

下痢と全身に痛み。ふさこにも風邪を移した。かずだけ元気。ならいいや。

3月6日

「今年のフジロック、小沢健二も発表されたし、3人で行こうよ」とふさこが言う。確かに小さい子と来ている家族も多いけど、かずふみは1歳だし、どうなんだろ。

毎回家族でフジロックに行っている弁護士の毛利先生(ふさこが受験生だったときに予備校講師だった)にふさこが相談したところ、以下のような丁寧な返信が。

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Baby Don't cry 〜赤ちゃんと俺とキレ妻と〜

樋口毅宏

伝説の育児日記が帰ってきた!『おっぱいがほしい!——男の子育て日記』で、各方面を騒然・唖然・呆然とさせた作家の樋口毅宏さんが、満を持してcakesで続編をスタート!美人東大卒弁護士という華やかな肩書きと裏腹に、常識が通用しないぶっ飛ん...もっと読む

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