どこにいても自炊!
『もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓』
「地獄蒸し」で蒸し蒸し三昧
みなさまこんにちは。突然ですが先日、春の陽気に誘われて別府温泉に行ってまいりました! 人生初別府は、想像をはるかに超えたスゴイ場所でしたぞ。あっついお湯がこんこんと湧いてくるだけじゃなくて、なんと噴き出す蒸気で料理も出来ちゃうのです。そして一介の観光客でも、その「奇跡の料理」を実体験することができるんです。
いやー、もうこれが楽しいのなんの! 自分で蒸し器を持っていないので本格的な蒸し料理は縁遠い調理法だったのですが、実際にやってみたら、まあひっくり返るほどシンプル! だって蒸すだけなんだもん。だから何も考えずとも(もちろんレシピ本など一切不要)美味しく出来ちゃうわ、そしてそして、なんとも優しいホッとするお味! その偉大さを実感しまくって帰ってきたところです。
というわけで本日は特別編。別府での「蒸し蒸し」リポート!
今回私が宿泊したのは、別府は神輪温泉の「柳屋」という湯治宿。
皆さん、湯治ってご存知ですかね?
若い方は初めて聞く単語かもしれません。私も知識としては知っていましたが、実際に本格体験(っぽいこと)をしたのは今回が初めてでした。
湯治とは、読んで名のごとく「湯」で「治」す。つまりは体に様々な効能のある温泉にゆったり浸かり、体の不調を治すこと。
と言っても、よほどのお金持ちでなければ何日も旅館に泊まって温泉三昧なんてできやしません。「ゆったり」どころかそのお金を稼ぐために体調崩すよ……という人のために「貸し間」というシステムがありまして、客は小さなスペースと布団を借りて、食事は共同の炊事場で自炊をするのであります。
え、せっかく旅行に来たのに自分で料理するなんて面倒くさいって?
いやいや、そんなことはありませんよ!
1日なら温泉宿の豪華飯は嬉しいものですが、あれを何日も食べ続けるとなると、考えただけでもちょっときついものがあります。っていうか温泉でゴロゴロのんびりして、あんなボリュームたっぷりのご馳走を日々食べていたら確実に太ります(笑) それが自炊となれば、好きなものを好きなだけ作って食べればよし。凝ったことをする必要もありません。地元の小さな商店に行って適当に野菜やら魚やら肉やらを買い、自炊場の鍋に放り込んでグツグツ煮て食べれば十分に美味しい。どんなご馳走よりも、そんな素朴なご飯がのんびり湯治にはぴったりな気がします。
で、ここまでは一般論。
「別府」の湯治には、さらにスペシャルなおまけが付いてくるのでした。
それが地獄蒸し!
大地のエネルギーがそこかしこから噴き出してくる別府の別名は「地獄」。そのあっつーい蒸気を使って、なんと温泉が湧くだけじゃなくてお料理までできてしまうというウソのような本当の話。
これを体験せずにはいられましょうか?
これがその「地獄釜」です。いやー、話には聞いておりましたが実際に見たら大興奮! アウトドアですが近づくだけでじわっと温かく、温泉独特の幸せな香りがして、しかも、おしゃれな柳屋さんでは近くにベンチまで置いてあり、蒸している時間にこのベンチでのんびり本でも読むかと思うと、それだけで幸せな気持ちが温泉のごとく湧いてきます。
釜の使い方は柳屋さん製作の動画をユーチューブで見て確認。
噴き出し口にザルを置き、その上に食材を並べ、蓋をして、バルブをひねって蒸気をボわーっと全開にして、しばし待つ。それだけで、ハイ今日のご飯が出来上がり! 釜の横の壁には食材ごとの蒸し時間の目安も表示もしてあるので安心です。
で、早速、こんなん蒸してみました。
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