四つの感触でわかった場所別の汚れ
この連載では、家の中に潜むあらゆる感染リスクについてご説明してきました。「もっと徹底的に掃除をしなければ」という思いに駆られた方も多いかもしれません。
しかし、神経質になる必要はありません。汚れやすいポイントを押さえた掃除をすれば、これまでよりも効率的にきれいに、かつ病気を防ぐことができるのです。
効率的なお掃除がしたいのなら、自分の家はどこがどう汚れやすいのかを把握しておくことが重要となります。
病院清掃に長らく携わってきた私でしたが、ある日、ふとこんな疑問が浮かびました。
「汚れは場所によって大きく違うのに、清掃の仕方は一律でいいのだろうか? あえてきれいな場所まで掃除する意味はあるのか? 時間とお金のムダではないのか?」
そんな疑問から、私は病院内の場所ごとの汚れを確認して、「汚れ地図」としてまとめてみることを思いつきました。
最初は、使い捨ての手袋をはめ、床のいろいろな場所をとにかく触ってみました。すると、フワフワ(ホコリ)、ザラザラ(土砂)、スベスベ(きれい)、はたまたフワザラ(ホコリと土砂が混じったもの)と、場所によって感触が違うことがわかったのです。これを自宅でも試してみたところ、家の中の汚れには土砂が少ないため、ザラザラ感はありませんが、やはりスベスベ、フワフワの違いがありました。つまり、場所によって汚れ方には特徴があるということがわかったのです。
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