「最近、なんだかやる気がないな」
「何をやっても楽しくないし、毎日がつらい」そんな人が増えているように思います。
やる気がなくなると、「一刻も早く元に戻らなければ」という焦りから、ゆっくり休養しようと思うよりも、「どうすれば、元の元気な自分になれるのだろうか」と考え始めます。
そして、なかなかやる気が戻らないと、
「もう、このまま、ダメになってしまうのではないだろうか」と、
いっそう落ち込んでしまうという人もいるに違いありません。
もちろん、そんな否定的な心理状態に陥っているときに、ポジティブな思考が生まれるわけがありません。実際に休んでいたとしても、頭の中で「あれは、どうなったんだろうか。あの仕事は、誰がしているのだろうか」「自分が休んでいることを、人はどう思っているだろうか」「自分の存在なんて、いてもいなくても、人にとってはどうでもいいんだ」などと思っていれば、自暴自棄的な気持ちになってしまうでしょう。
「やる気がない」自分を認めてあげる
この本を手にとった方の中には、
「やる気のない自分なんてダメだ!もっと頑張らねば!」
と思っている方もいると思います。
でも、その考え方があなた自身を追い込んでいたとしたら?
まずは、「やる気のない自分」を認めてあげましょう。
どんなに「今の自分は、本当の自分ではない」と否定したくても、「今」の状態が、自分の本当の姿です。
むしろ、どんなときも自分を否定したり、叱咤激励したり脅したりしながら、頑張り続けて、自分の心をほとんど無視してきたがために、「今」そんな状態になっているのだということを知ってほしいのです。
もともと、私たちは、そんなに「頑張る」必要はありません。
むしろ、必要もないのに「頑張らなければならない」と思い込んでいることが、心を疲れさせてしまっています。
「休みたい」とか「やりたくない」という自分の心を無視して「頑張れ」と言うのは、自分に対して「自分を大事にするな!」「ロボットであれ」と、命令しているようなものです。心が「そんなこと、できるわけがない」と抵抗するのは、当たり前でしょう。それでもやっていける人がいるとしたら、そちらのほうが逆に問題です。
だから、もしあなたが、今「何もかも放棄したい」というほどにやる気がなくなっているとしたら、それは、無意識からの次のようなメッセージかもしれません。
「ねえ、今まで、頑張ってきたのはわかるんだ。よくやってきたと思うよ。でも、そんなに頑張って我慢してやっても、最後には何もやりたくなくなってしまうって、わかったでしょう。だから、これからは、もっとラクに生きることや、自分を大事にする生き方を学ぼうよ」
そう言っているのかもしれません。
やる気が出ないのは、これまで、あなたが自分を大事にしてこなかった結果です。
そうしながら、「もっと、もっと」と自分自身を脅しながら、自分を乱暴に扱ってきた結果です。今の状態は、あなたがあまりにも自分に対してひどい仕打ちをしてきたから、あなたの無意識が、「そうじゃないよ」と主張して、「自分らしく生きようよ」と発信しているのです。
これからは、可能な限り、自分の心の訴えに耳を傾けてあげましょう。「自分自身の心の訴えを優先すること」からはじめましょう。本連載では、そんな自分になるための方法を提供していきたいと思います。