人生が変わる料理の本
『もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓』
「異国で自炊」の必需品たち
みなさまこんにちは。来た時はえらく寒かったリヨンも、短い滞在期間中にすっかり春になってきました。近所のカフェのテラス席も日に日ににぎわいを増しております。
ということで今回も特別編。リヨン自炊生活の後編です!
「異国で自炊」という人生初挑戦につき、自分なりにあれこれ考え準備をして当地へやってきました。ですが実際に実行してみると、これは正解だったと思うこともあれば、こうすればよかったなーと思うことも。
なので、今回は私なりの総括をお伝えしようかと。だってもしかするとこのコラムを読んで「私も異国で自炊生活、やってみようかな?」と思う方が一人ぐらいはいるかもしれないし……。
まずは、正解だったことから。
何といっても、マルシェが毎日立つ地区に家を借りたことです。
もちろんマルシェが立たなくたってスーパーに行けば十分自炊はできますが、やはり市場で買い物をするとそれだけで元気が出てくる。農家が直接売りに来ているお店もあるし、店の前を歩いているだけで、売る側の誇りと元気が伝わってくる。これはスーパーでは決して味わえない雰囲気ですぞ!
そんな中、美しい野菜や魚や肉を見て「これが食べてみたい!」という気持ちを心から持つことができたなら、たとえ言葉は全く通じなくても、そして金額が聞き取れず支払いでいちいちアタフタしても(いずれも実体験です……)、ちゃんと笑顔が返ってきます。異国生活のエネルギーは何と言っても笑顔! お金と商品のやり取りだけじゃあ元気が出てこないもんね。
それから、日本の調味料を持参したこともよかった。
荷物を増やしたくないので、考えに考えて持ってきた厳選物品は以下の通りです。
●味噌 ●梅酢醤油 ●出汁昆布 ●梅干し ●おから床
いやー、これは全て正解でした。
いくら異国の食生活を楽しむといっても、ある程度の期間滞在するとなると、ふだんと全然違うものを食べ続けるのは体にも舌にも負担が大きすぎます。あくまでいつもの食事や献立のパターンは崩さず、つまりは自分の「軸」はそのままに。そのほうが、見たことのない食材にも恐れず挑戦できる。生でちょっと味見して、おっ、これは味噌汁に入れてみようとか、きんぴらにしてみようとか、漬物にしてみようとか考えればいいんだからね。
そうじゃないと、フクザツなフランス料理のレシピ本を山のように持参せねばならないことになりますぞ。重くかさばるばかりか、レシピ本通りに作ろうとするとせっかくの市場で自由な買い物ができなくなり、日々の料理作りが楽しみどころか苦痛になりかねません。
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