妖怪処刑人 小泉ハーン

通らせてもらうぞ、これが入場料だ

一八九九年夏。京都にある下劣な見世物小屋「サウスイースト・ビリーヴ・オア・ノット」。最新のショウは、本物の死体と見紛うばかりのゾンビ少女の見世物。小屋の前を通りかかった旅行服姿の女、文子は、デッドガールの容姿や傷跡が死別した娘に酷似していることに気づく。文子は京都に滞在中の妖怪ハンター、小泉八雲を頼るのだった。
◆伝奇アクションホラー小説『妖怪処刑人 小泉ハーン』より「デッドガール」編第3回!◆


「どうなってやがる! もう次の回の客が入っているんだぞ!」

 外で呼び込みをしていた支配人がスケジュールの遅れに気づき、血相を変えてステージ裏の階段を登った。道化師じみた笑顔の化粧とは裏腹に、その表情は殺気立っている。

「プハーッ! くそったれめ!」

 支配人はぬるいビールで喉を潤し、空いた瓶を放り捨て、太鼓腹を揺らしながら階段を登っていった。手下のヤクザ者たちは支配人の怒りに触れないよう、目を伏せて左右に道を開けた。

「アメイジング・デッドガールの準備はまだか⁉ これ以上怪力男のショーなんぞで場を持たせられると思っているのか⁉」

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妖怪処刑人 小泉ハーン (単行本)

本兌 有,杉 ライカ,トレヴォー・S・マイルズ,久 正人
筑摩書房
2018-02-20

この連載について

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妖怪処刑人 小泉ハーン

ダイハードテイルズ

時は19世紀末。葵の御紋は未だ死せず。江戸城には無慈悲なる大老井伊直弼。永世中立交易都市たる京都神戸を境に、西部では薩長同盟が勢力を維持。一方、強化アーク灯の光届かぬ荒野には未だ魑魅魍魎が跋扈し、開拓地の人々を脅かし続ける。かくの如き...もっと読む

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marekingu #スマートニュース 2年以上前 replyretweetfavorite