「人づき合いの効果」を軽視しない
最初に「お金持ちになるための大原則」を知る必要があります。
それは、「人を介すことによって資産形成のスピードはアップする」ということです。
お金は、直接的あるいは間接的に、「人」を介してあなたのもとにやってきます。
ビジネスで稼ごうと思えば、お客様にアプローチをする必要がありますし、事業展開を加速させようと思えば、ビジネスパートナーと組むことも検討しなければなりません。
投資で資産を築く人も、けっして一人で完結しているわけではありません。様々な人を介して有益な情報を得て、投資先を決めているのが普通です。
間接的には、おつき合いをする恋人や結婚相手などのパートナーも、あなたの資産の増減に影響を与えます。浪費グセの激しい女性とつき合えば確実に資産は減っていきますし、一生をともにすることになれば、資産に与える影響は甚大です。
また、恋人や妻の束縛が激しければ、お金を増やすための時間が制限されますし、価値観が合わない相手であれば、一緒にいるだけでストレスとなり、仕事にも悪影響を及ぼします。
あまりいい言葉ではありませんが、「あげまん」「さげまん」という表現がよく使われるのも、おつき合いする女性によって、男性の仕事や資産額が少なからず左右されるからでしょう。実際、私が知っているお金持ちの中にも、結婚したのを機に資産を大きく増やす人、反対に資産を大きく減らす人は少なくありません。
一人の力だけでお金持ちになるのは容易ではありません。将棋の世界に彗星のごとく現れた藤井聡太四段のように、突き抜けた実力があり、結果を出し続けることができるなら、ひたすら好きな将棋に打ち込んでいれば、自然と周りに人とお金が集まってくるでしょう。好きなことで突出した才能を示すことによって、その才能にほれ込んだ人が様々な面でサポートしてくれるようになります。
しかし、そんな人は、ほんの一握りでしょう。ほとんどの人は、自分だけの世界で完結しているのであれば、お金持ちにはなれません。趣味のアニメの世界に一人で没頭していても、よほど才能がある人でなければ、お金は集まってこないのが現実です。
だからこそ、お金持ちになりたければ、人づき合いを通じてレバレッジをきかせる必要があるのです。
資産運用でも人づき合いがものをいう
私自身、投資によって資産を築いたわけですが、けっして個人の力だけで成功したとは思っていません。
私が投資を始めたころは、インターネットの発達によって個人でも気軽に投資ができるようになり、個人投資家が増え始めて時期でした。当時、私は投資をテーマにしたメールマガジンを購読しており、その読者同士で交流し、「こんな投資法がいい」「あそこの会社の株は買ったほうがいい」といった情報を交換していました。そして、ついには好きが高じて投資に関するメルマガを自分で発行することに。他のメルマガの発行人とも実際に会い、情報交換をするようにもなりました。
自分でメルマガを発行しているくらいですから、みんな投資に関する知識が豊富です。一緒に話しているだけでも刺激になり、大変勉強になりました。このときの投資仲間との交流によって、負けない投資スタイルを確立することができ、結果的に「お金のストレスフリー」の状態を築けたといっても過言ではありません。
ちなみに「お金のストレスフリー」とは、文字通り「お金に不自由しない」ことを指しますが、具体的には「給料の額を上回る不労所得があること」だと定義しています。たとえ会社員であっても、月給以上の収入が毎月入ってくるのであれば、現在の仕事に縛られる必要はありません。極端な場合、仕事を辞めても食べていけます。仕事を続けるにしても、楽しい気持ちで取り組むことができるでしょう。まさにお金に関するストレスがない状態です。
私の場合、今では投資による不労所得が一定額入ってくるため、お金の大切さを伝えるための講演や執筆という好きな仕事にだけ注力して活動しています。
「同志」とのつき合いはモチベーションにつながる
投資仲間と交流するメリットは、情報交換だけではありませんでした。モチベーションを維持する絶好の場でもありました。
どんな仕事や趣味でも一緒だと思いますが、同じ嗜好をもっている人、同じようなポジションにいる人には、親近感を抱きやすいもの。「同志」といえる人とコミュニケーションを取ることは単純に楽しいですし、「自分ももっと頑張ろう」といった刺激にもなります。
とくに投資の場合は、相場の波があります。株価が上がっている局面ではご機嫌ですが、ひとたび株価が下がり始めると、一気に不安な気持ちになります。「いつまで下落の局面が続くのだろうか……」「このまま下がり続けたら、財産を失ってしまう。どうしよう……」というようにです。
あくまで波なので、ずっと下がり続けることはないのですが、実際に身銭を切っていると、底なしの不安に襲われるのです。
このようにメンタルが弱っているとき、メルマガ発行人同士の交流会に参加すると、ベテランの投資家が相談に乗ってくれたり、客観的なアドバイスをしてくれたりしました。
「何年か前にも同じような下落局面があったけれど、1カ月後にはもち直していた。今回も大丈夫だよ」といった話を聞くことで、冷静に対処ができました(実際、損を出さずに済みました)。
私の経験からもわかる通り、投資でさえ自分一人で完結することはありません。お客様からお金をいただくビジネスの場合は、さらに人間関係やコミュニケーションがものをいいます。
「何十年かかってもいいから一人でコツコツお金を貯めたい」という人であれば、人づき合いを最小限にとどめてもいいでしょう。
しかし、少しでも早くお金持ちになりたいなら、積極的に人づき合いをする必要があるのです。