話題沸騰、新しい人生設計とは?
『専業主婦は2億円損をする』(マガジンハウス)
人生の8つのパターン
前回お話ししたように、幸福な人生の土台には3つの「資本」があります。「金融資本(お金)」「人的資本(はたらくちから)」「社会資本(絆)」です。金融資本は「自由(経済的独立)」、人的資本は「自己実現(やりがい)」、社会資本は「愛情・友情」と結びついています。
この3つの資本をどのように組み合わせるかで人生の8つのパターンが決まります。
1 プア充
金融資本がなく貯金はゼロで、人的資本がないのでパートやバイトなど時給の安い仕事をしていても、「人生には愛情と友情しかいらない!」というひとがいます。こういうひとは「プア充」で、家族や友だちに囲まれているので、プアでもその人生はけっこう充実しています。
プア充の典型は、“ジモティー”や“マイルドヤンキー”と呼ばれる地方の若者たちで、中学・高校の同級生5~6人を「イツメン(いつものメンバー)」として、先輩・後輩などを加えた20~30人くらいの「仲間」で行動しています。
ジャーナリストの鈴木大介さんの『最貧困女子』(幻冬舎新書)に登場する北関東在住の28歳の女性は、故障寸前の軽自動車でロードサイドの大型店を回り、新品同様の中古ブランド服を買い、モールやホムセン(ホームセンター)のフードコートで友だちとお茶し、100円ショップの惣菜で「ワンコイン(100円)飯」をつくります。肉が食べたくなれば公園でバーベキューセットを借りて、肉屋ではたらいている高校の友人にカルビ2キロを用意してもらい、イツメンで1人頭1000円のBBQパーティをします。プア充の生活は、友だちの絆によって成立しているのです。
2 ソロ充
「仕事はできるけれど異性との交際にはあまり興味がない。友だちづきあいも苦手」というひとは「ソロ充」です。これは、博報堂ソロ活動系男子研究プロジェクトの荒川和久さんが『超ソロ社会』(PHP新書)で使った表現で、ITやネット、ゲームに詳しい理系の男子に多そうですが、女子にもこういうひとはいるでしょう。
プア充の典型が田舎のマイルドヤンキーだとすれば、ソロ充のイメージは地方から東京など大都市に出てきて、一人暮らしをしながらベンチャー企業や外資系企業ではたらいている、という感じでしょうか。
まだ若いソロ充は金融資本(貯金)はそれほどもっておらず、田舎の友だちとは縁が切れて濃い人間関係もありませんが、大きな人的資本をもっているので仕事は充実しています。
3 裕福な引きこもり
「お金はもっているけれど、はたらいてもいないし友だちもいない」というタイプは、高齢者にはたくさんいます。それが、家族や友人のいない「孤独な年金生活者」です。