こんにちは、外科医の雨月メッツェンバウム次郎です。
少しずつ秋も深まり、あちこちで紅葉が始まりました。駅や旅行会社のパンフレットに「もみじ狩り」の文字が踊りますが、前々から私不思議に思ってたのですがあれってもみじを狩ってどうするのでしょうねえ。ぶどう狩りやイチゴ狩りと違いもみじは食べられませんから、山の落ち葉掃除も兼ねているのでしょうか。一度行ってみたいと思います。
さて、もみじといえば和歌です。あまり知られていませんが、和歌にはもみじを取り上げたものが実に多いのですね。
秋の夜に 雨と聞えて降る物は 風にしたがふ紅葉なりけり (紀貫之)
は私のお気に入りです。
秋の夜にもの思いに耽っていると、窓の外から雨音が聞こえてきた。晩秋の雨によりいっそうの物哀しさを覚えてふと目をやると、色鮮やかなもみじが風に吹かれて落ちていった。(雨月訳)
もみじに救われた筆者、紀貫之(きのつらゆき)さん。彼は女性の語り口で土佐日記を書いた初代ネカマとしても有名ですが、実は和歌の名手でもありました。天皇から和歌集を作れと言われ、プロデュースを始めたのが37歳のころ。落ち目である紀家に生まれ育ち、歌才には恵まれたが出世できない宿命の自分。彼は真紅のもみじの葉を見て、何を思ったのでしょうか。
(画像:紀貫之 wikipediaより引用)
さて前置きが長くなりました。今回のテーマは「自分のことなど誰も興味はない」という言葉です。これは私が常々考え、いろいろな人に言ってきたことです。有名人も似たようなことを多く言っています。例えばホリエモン氏は著書「多動力」で「誰もあなたに興味がない」と書いています。今回はこのフレーズがとても便利で威力があるよ、というお話です。
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