CHAIのセンスはどこからくるのか
柴 那典(以下、柴) 大谷さん、最近のいち推しはありますか?
大谷ノブ彦(以下、大谷) CHAIですねー。最近めっちゃ聴いてるんですよ。
柴 CHAI、いいですよね。今年に彼女たちが「ボーイズ・セコ・メン」で注目され始めたときは、キャラクターとメッセージは強いけど音楽的な引き出しは少ないバンドなのかなと勝手に思っていたんですけど、実はいろんな引き出しを持っていた。
大谷 うんうん。出てきたころは90年代のアメリカのオルナタティブロックとか、CSS(ブラジルのディスコ・パンク・バンド)とか、そういう感じのことをやりたいバンドなのかなと思ってた。でも、デビューアルバム『PINK』を聴いてみたら、ヒップホップっぽい曲や、ごりごりファンクな曲が入っていて、楽しいですよね。
柴 インタビューを読んだんですけど、彼女たちがどうやって好きな音楽を見つけて聴いてるのかという話がすごく興味深くて。H&MやForever21みたいな店で流れている洋楽を、その場でShazam(流れている楽曲名をその場で確認できるアプリ)を使って調べててるらしい。
大谷 えー! ラジオから流れてきたギターの音を聴いた瞬間に身体中が震えて「これが俺と音楽の出会いだ……!」みたいなのじゃないの!?
柴 そういうの、一切ない(笑)。もちろんYouTubeも使ってるらしいけど、特にファストファッション系の店で流れている音楽がキャッチーでいいって言ってるんですよ。つまり、家じゃなくて街で音楽に出会ってる。
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