結婚しない理想の老後

百鳥ユウカさんが入り込んだのは、公民館で行われていたある会合。あるつながりのある年配の女性たちが集う茶話会では、不動産投資の話題が飛び交っていた。ユウカにとってはまるで縁遠い世界の話だったが、彼女のたちの世間話はある一点のみ、共通していることがあった。


座卓で行われていた議論は白熱していった。

茶話会という言葉で想像されるような静かで落ち着いた雰囲気は一切なく、物件のチラシが座卓上を飛び交っていた。参加者の5人ともが、興奮さめやらぬようにメモを取り、携帯で地図を調べ、良い物件と悪い物件とチラシを仕分けていった。良い物件はあとで、足を運んで実際に見にいくようだった。

その捨てられた悪い物件のチラシの束をユウカは1枚取り上げると、図面に目を落とした。

2LDKの分譲タイプのマンションは1800万円の値がつけられていた。

確か、池崎と住んでいたマンションがこれくらいの広さのマンションだったのを思い出した。

「あそこは買うとしたら1800万円くらいなんだぁ。けっこう高いね。でも、買った方が得っていうけど本当なのかな?」

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結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜

菅沙絵

友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む

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marekingu #スマートニュース 2ヶ月前 replyretweetfavorite