オーブンがなくても大丈夫。あり合わせの材料で作る焼きリンゴ。

バターの代わりに、あるものを詰めて、ストウブで焼くと……絶品焼きリンゴの出来上がり。最新刊「もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓」には、すぐ真似したくなる、新しい食のアイデアがいっぱい。刊行を記念して、10月30日下北沢B&Bでトークイベント「ラクな料理でラクに生きる」を開催。ゲストは、代々木上原の人気餃子店『按田餃子』のオーナー、按田優子さんです。


早くも3刷、増刷出来!

「もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓」

デザートなんぞ作ってみる

 みなさまこんにちは。芸術の秋に誘われて突然40年ぶりにピアノを習い始めたイナガキです。いや~面白すぎる! 練習嫌いだった子供の頃が信じられません。ピアノを弾きすぎてお腹がすくありさま。全く人生は何が起きるかわからんね。

 さて本日もさらにしつこく炊き込み御飯……と思いましたが、さすがにクレームが来そうなのでとりあえずはやめておきます。
 で、秋といえば……そうご飯だけじゃない。フルーツの秋です。梨やら柿やらリンゴやらミカンやらぶどうやら、この時期の果物売り場は本当にニギヤカ。四季のある日本の恵みを痛切に感じる。つまりは「食欲の秋」ってそういうことなんだなと改めて。
 そう秋は収穫の季節なのです。

 なので今回は、いつもの食卓から少し離れて「デザート編」です。

 いやー、デザート作り……。
 地味メシ派の私にはかなり無縁の世界です(笑)。
 いやね、外では時々食べるんですよ。でも自分でデザート作りってあーた、オーブンも電子レンジもない、カセットコンロ1個の暮らしでそんなことできるわけない!
 でもね、実はたまーにやるんです。
 もちろん凝ったことはしません。っていうかできません。っていうか改めて考えるとこれをデザート作りと呼んでいいのかどうか……(汗)。ただ果物を食べる時、そのまま食べるのが少ししんどい時があるのです。何しろふだん冷たいものを食べていないので(なんせ冷蔵庫がない)、リンゴを一個食べるとお腹が冷えてちょっと元気がなくなったりしたりする。
 というわけで、デザート作りというよりも、ただ生の果物を加熱するだけに近い。
 でもですね、これがバカにならない美味しさなんです!
 というわけで、今回はその「デザートづくり」を大公開。

 まずは、焼きリンゴ。
 これはですね、子供の頃に母が作ってくれた数少ないお菓子の一つです。
 高度成長時代に次々と新しい道具を手に入れた我が家では、私が小学生の時、オーブンレンジなるものが導入されました。当時、オーブンといえばお菓子作り! 我が家で手作りのお菓子が焼けるなんて! それは絵本で読んだ西洋の童話の世界そのものでした。リンゴの芯をくりぬいて、その穴にバターをたっぷりとブランデーと砂糖を詰め込んでオーブンで焼く。これがもう、作っているそばからなんとも言えないあま~い香りがして、いよいよオーブンから取り出した熱々のとろけるリンゴを崩しながら食べる時の幸せよ! 残ったら冷たく冷やして食べても、またこれが美味しいんですよね。

 しかし、現在の我が家にはオーブンもありません。さらに砂糖もバターもない。なので、あるもので工夫してみたのです。

 オーブン代わりに、愛用の小さなストウブ鍋を使います。しかし鍋が小さすぎて丸ごとのリンゴが入らない……。なので半分にカットしました。中央の芯のところをスプーンでほじくり出して丸く穴を開け、そこに練りゴマとレーズンを詰めます。で、少量の日本酒を垂らして蓋を閉じ、カセットコンロにかけて弱火でじっくりと火を入れる。
 つまりはバターの代わりに練りゴマ、砂糖の代わりにレーズン、ブランデーの代わりに日本酒を使ったというわけ。

 いやー……。
 大成功!!
 練りゴマが実にコクがあって、めちゃくちゃいい仕事してるじゃないか! バターを超えたかもしれない。
 いやしかし、必要は発明の母というか、何事もやればできますね! 私って天才かもとちらりと妄想。まあ頭の中で何を考えようが自由です。

手作り干し柿のうまさときたら

 で、気を良くしてさらにもう一品!
 干し柿です!

 いやね、私は柿が大大大好きでして、特に二日酔いの日などは丸ごとガリガリかじってスッキリしているのですが、やはりこれも食べすぎるとお腹が冷える。
 というわけで、これも火を通します。
 ただし今度はオーブンでなく、太陽に火を通していただきます。

 え、干し柿なんて売ってるじゃんって?
 わざわざ作る意味がわからんと?

 はいはい。そう言われると思っていました。でもねー、これが全く違うんです。
 何が違うって、売っている干し柿ももちろん美味しい。でもね、あれは売り物です。つまりは品質が一定じゃなきゃいけません。つまりは「完璧に干した柿」なんだな。

 ところが自分で作ると、あらゆる状態の干し柿を食べることができるのです。

 つまりはステーキでいえば、あえてさっと火を通しただけの「レア」も食べられる、中間の「ミディアム」も、しっかり火入れした「ウェルダン」も食べられる!
 で、あーた、レアの干し柿って食べたことありますか?
 いや絶対ないに違いありません。もうトロットロ! 黒糖に少しブランデーの香りが加わったような、なんとも言えぬ濃厚で大人っぽい甘さ!
 いやね、私、これほどに完璧なデザートというものは実際のところ他に食べたことがありません。こういうのって、どんな名パティシエでも作り出すことはなかなかに難しいのではないでしょうか? まさに自然の作り出す芸術です。

 作り方は実に簡単。干し柿用の柿を買ってきて皮をむき、ヘタについた枝を利用してヒモに一定の間隔で柿を結び、消毒のためヒモに結わえた状態で一度ドボンと熱湯にくぐらせて、あとは物干し竿などに吊るしておくだけ。
 ネットなどで検索すると色々なやり方が出てきますので、自分に合ったやり方で一度ぜひお試しを!

早く読んだ人から得をする、驚きの食革命!

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アフロえみ子の「自由メシ!」

稲垣えみ子

アフロで無職で独身の、稲垣えみ子52歳。朝日新聞退社後、激変したのは食生活。メシ、汁、漬物を基本に作る毎日のごはんは、超低予算ながら、本人はいたって満足。冷蔵庫なし、ガスコンロは一口、それでもできる献立とは!? レシピ本不要、作り置き...もっと読む

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