やらない理由

子どもは欲しいが、結婚するのは嫌

第28回は「子ども」ジレンマ。昨今、今回のテーマについて議論を交わしている現場(女子会)をよく目の当たりにします。非常にデリケートな話題ですし、人生いろいろ、価値観もいろいろな時代なので、「まぁそういう考えの人もいるよね」で終わらせるべきかもしれませんが、どうもスッキリしません。そこでまた、カレー沢薫氏のお力をお借りすることにしました。

正しいとされる家族の形

今回のテーマは「子どもは欲しいが、結婚するのは嫌」である。

自分の人生であるし、家族の形も人それぞれ、方法も昔と違って今はいろいろある。己がそう思ったなら、そうすればいい。

以上が全力で炎上を回避する模範解答だ。もちろん正しいことを言っているのだが、そういう新しい家族の形が世間一般から見ても当然となるのにはまだ時間が相当かかるだろう、明日にでも、同性婚や、シングルママパパ、専業主夫、抱き枕やフィギュアとの結婚が当たり前になる、ということはまずない。

私が生きている内に、この玄関に飾っている「ねんへし」と結婚することは叶(かな)わぬのか、と思うと暗澹(あんたん)たる気分だが、社会も人の意識も一瞬では変わらない、今のまだまだ不自由と思える社会でさえ、時間をかけてできたものである。ゆっくり根気強く、抱き枕への愛は本物で結婚は正しいことだと、世間を納得させていくしかない。

つまり「家族のカタチも人それぞれ!」と口では言う社会になったものの、やはり「婚姻届を出している異性婚の夫婦と2人の実の子ども」という家族構成がスタンダードとされているし、それから外れた家族は「ワケアリ」と見なされ、他人に「kwsk」されてしまうことも少なくない。

私自身は「既婚子なし」だ、ちなみに夫はフィギュアではない。よって「子どもはまだ?」という質問は避けられない、と言いたいところだが、驚くほど言われない、結婚して8年ぐらい経たつが、いまだかつて他人にそういうことを言われたことがない、今まで言ってきたのは「実の母」のみだ、その母でさえ「言ったところでどうにもならないので—そのうち母は言うのをやめた」と「2回」でカーズ様状態になってしまったので、もはや誰も言う人はいなくなった。

これが「子どもの製造に関する質問はハラスメント」である、という意識が広がった結果なら喜ばしいことだ。だが、半分はそうだとしても、あと半分は私がコミュ症だからだと思う。何故なら「子どもは?」と聞いてくる人に悪意がある場合はそうない、悪意があるなら仕方がない。不愉快にさせる目的で言われて、見事不愉快になったら「作戦大成功!」とカメラに向かってダブルピースする他、なす術がない。

世間と立ち向かう方法
この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
やらない理由

カレー沢薫

「エッチはしたいが、付き合うのは嫌」。多かれ少なかれ誰もが抱える他人には打ち明けづらい虫のいい話。OL兼漫画家・コラムニストのカレー沢薫さんが挫折と諦めを肯定、それが正しいことだと示す当コラムで、スカッと爽快なメンタルヘルスを目指しま...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

yuha_ ゆはさんがロリィタやってて殆ど他人から嘲笑を受けないのもこれだと思ってる。コミュ障で奇妙だから近寄らないほうがいいと判断するらしい。懸命である。 約2年前 replyretweetfavorite

LucciolA_kanako ほんとにこの方の文章すき https://t.co/4QGYcXH3mI 約2年前 replyretweetfavorite

tsukiyo2015 「頭数が多いほうがいい」に完全同意にゃ。たったひとりで出来ることにはやっぱり限りがあるにゃ。その頭数が、夫や親族である必要はないけどにゃ。 約2年前 replyretweetfavorite

monbat https://t.co/P0Z2lDePEJ 「抱き枕への愛は本物で結婚は正しいこと」 簡潔すぎてJ-popの歌詞のよう。 約2年前 replyretweetfavorite