左からエムカクさん、てれびのスキマさん、細田昌志さん B&Bにて
「お笑い怪獣」の誕生
エムカク 冒頭にBIG3の話をしましたが、BIG3の活動って99年1月1日に放送された『タモリ・たけし・さんま BIG3 世紀のゴルフマッチ』を最後に休止するんです。以来、タモリさんが司会を務めた2012年の『27時間テレビ』までやらなかった。99年のゴルフマッチは前年の収録ですから、BIG3は98年でひとまず区切りをつけたと思うんです。
細田昌志(以下、細田) 19年前ですね。
エムカク その頃のさんまさんは、離婚直後の低迷期から抜け出して駆け上がっている時期。僕は98年がさんまさんのひとつのピークなんじゃないかと思ってます。94年に『恋のから騒ぎ』、97年に『踊る! さんま御殿!!』が始まる。そして96年にはジミー大西さんが一度芸能界を引退されています。この引退も大きなポイントだと思ってて。
細田 というのは?
エムカク それまでのさんまさんは俗に「さんまファミリー」と呼ばれる、村上ショージ、Mr.オクレ、ジミー大西らと共演することが多かった。他に若手で共演するタレントといえば、たけし軍団である松尾伴内さん、ラッシャー板前さんぐらいで。
それが変わってきたのが『さんまのスポーツするぞ!』です。この特番は93年12月に初めてさんまさん司会で放送されたんですが、この特番で、今田、東野、ナインティナインと出会うんです。
てれびのスキマ(以下、スキマ) ああー。
エムカク ここで、それまでさんまさんがジミーちゃんにやっていたような、「笑いを指導する様を見せて、それを笑いにする」というパターンを若手にも用いていく。特に、岡村さんに。
そして98年4月、『めちゃイケ』スペシャルにさんまさんがサプライズゲストで登場するんですよ。この時、めちゃイケメンバーが本当に驚いて、たじろいで。たぶん極楽とんぼ山本さんの声だと思うんですけど、「お笑い怪獣がきた」。そこに矢部さんが重ねて「お笑い怪獣や」と。
細田 そこがお笑い怪獣の初出。
エムカク ええ。僕がテレビで初めて「お笑い怪獣」というフレーズを耳にしたのがその時です。ほんで、そう呼ばれたことにさんまさんがめちゃめちゃ喜んでた印象があるんですよね。そこから、若手との交流をすごく盛んにされるようになります。
99年にはじまった『明石家マンション物語』の中では、00年に「大部屋のコーナー」というのがスタートします。そこで海砂利水魚とか中川家とも出会っていく。それがいまの『さんまのお笑い向上委員会』につながる流れだと思うんですけど。
スキマ 『1989年のテレビっ子』で僕も少し触れたんですが、BIG3を延命させたのはナインティナインとSMAPだと思っていて。おっしゃるとおりナインティナインがさんまさんに「お笑い怪獣」というキャラ付けをしたり、中居くんがタモリさんを「タモさん、タモさん」と呼んで慕ったり。いわゆる大御所をキャラ化して、新たな引き出しを開いたのはナイナイとSMAP。
エムカク それによって、だいぶ付き合いやすくなったんですかね。
スキマ その頃からBIG3と若手との共演も増えましたよね。
エムカク たしかに、95年に『さんま&SMAP! 美女と野獣のクリスマススペシャル』も始まってます。
『25時間テレビ』の笑福亭鶴瓶
細田 エムカクさんはさんま師匠のピークを98年とおっしゃいましたが、スキマさんの考える鶴瓶さんのピークって?