左からエムカクさん、てれびのスキマさん、細田昌志さん B&Bにて
鶴瓶とさんま、出会いの瞬間
エムカク さんまさんと鶴瓶さんって、遊んでるんですよね。
細田昌志(以下、細田) 普段から?
エムカク プライベートでもそうだし、番組でもそうだし。だいたいテレビでも、さんまさんってよく鶴瓶さんを叱ってるんですよ。それを鶴瓶さんがうれしそうな目して受けてる。本当にたのしい関係を築いている二人ですよね。
細田 さんまさんって、元は笑福亭松之助師匠の弟子で、落語家としてキャリアをスタートさせていますよね。鶴瓶さんの師匠である六代目笑福亭松鶴と、さんまさんの師匠である松之助師匠って、先代の五代目松鶴の兄弟弟子ですよね。その、大きな一門の中の「いとこ同士」のような感覚が最初からあったんかな、と思うんですが。
てれびのスキマ(以下、スキマ) 元々は一門ということで知り合っていますしね。
エムカク ブラザーミシンビルで行われた「島之内寄席」というのがあって、そこでさんまさんと鶴瓶さんがはじめて出会うんですけども、そのときはまださんまさんが杉本高文のときで。
細田 まだ芸名がない頃。
エムカク そうです。笑福亭さんまという名前ももらっていないとき。推定ですけど、さんまさんが弟子入りして2カ月くらいのときです。当時鶴瓶さんがもうテレビとかラジオに出てはった。
だからさんまさんは鶴瓶さんのラジオも聞いて「すごい人やな」とわかってた。そんな頃にちょうど寄席でいっしょになった師匠どうし、松之助師匠と六代目松鶴師匠が飲みに行くことになって、「おまえら帰っとけ」と言った。「失礼します」とさんまさんが帰るときに鶴瓶さんが追っかけて、後ろから声をかけたというのが初めての出会いだそうなんです。
細田 よう見てきたように言いますねえ!(笑) そこにおったんかというくらい。
エムカク 何べんも想像してますからね。それが有名な「鶴瓶さんがさんまさんに30円の大判焼きをおごってやった」というエピソードの瞬間ですよ。「この湯気あったかいなあ、うまいなあさんま」っていう。
スキマ そうそう(笑)。
エムカク 1995年に、鶴瓶さんがさんまさんの家を掃除するっていうイベントがあったんですよ。「東西お笑い名人会」というゴルフコンペがあって、そこで賭けをしたんですね。鶴瓶さんが負けたらさんまさんの家を掃除する。さんまさんが負けたら、たしか当時大竹しのぶさんが野田秀樹とつきあっていた頃だったので、その家の周りをうろうろする、という条件だったかな。それも見たかったなと思うんですけども、そこでやっぱりさんまさんが勝つんですよね。
細田 おお。
エムカク その模様が、当時『27時間テレビ』で放送されたんですよ。僕はそのときもう、掃除する云々よりもさんまさんの部屋を見れることがうれしくて。
細田 ぶははは。
エムカク そうやって鶴瓶さんって、さんまさんと勝負しては負けてるんですよ。今年のヤンタン(『MBSヤングタウン土曜日』)、さんまさんの誕生日である7月1日の放送で鶴瓶さんがコメント出したんです。「おめでとう」と祝福したあとに「俺はいつかお前に何かで勝ちたい」と言ってはりました。
細田 二人の戦いは、今に至るまで続いているわけですね。
鶴瓶、幻の一勝
エムカク じゃあ鶴瓶さんが、さんまさんに勝ったことないかといったら、そんなことなくて。