聴診器で何が聞こえる?
医師は聴診器で何を聞いているのでしょう。
大きく分けて、「呼吸音」と「心音」です。呼吸音には、肺炎など痰が多いときに聞こえる「湿性ラ音(ガラガラ)」、気管支炎などで聞こえる「乾性ラ音(ヒューヒュー)」、喘息のときに聞こえる「喘鳴(ゼーゼー)」、そのほか、「捻髪音(チリチリ)」、「水すい泡ほう音(パチパチ)」などがあります。大学ではそう習いましたが、実際にはあまり役に立ちません。レントゲン写真やMRIなどのほうが、はるかに正確に診断できるからです。
私自身、いつも聴診器を当てながら、いったい何がわかるのだろうと自問します。わずかな異常を見つけて、病気の早期発見ができればいいですが、聴診器でそんなことはまずできません。喘息くらいはわかりますが、肺がんはぜったいにわかりませんし、喘息にしても、別に聴診器を使わなくても自覚症状で十分わかります。