香取は思った。「マイケルが〝僕を見てくれた〟」

28年間のSMAPの活動とその思いを、数々の言動から振り返り、幼少期から三十代に至るまでのファンの女性の28年の歴史と共に纏めあげ、「アイドルとは、ファンとは何か」を問い直すアイドルとファンのノンフィクション書籍『SMAPと、とあるファンの物語』。本書を先行公開する連載、四回目。何者でもない彼らが目撃した“キング・オブ・ポップ”マイケル・ジャクソン。その大きな存在は、彼らにひとつの夢を与えた。

 先輩の田原俊彦はかつて、高校1年生の時にジャニーズの合宿所でジャクソン・ファイブの『I Want You Back』を見たことで運命が決まったという。

「高校一年生の秋、ジャニーズの合宿所で初めてジャクソン・ファイブのマイケル・ジャクソンに『出会った』。まだ、当時はVHSもベータもない時代で、ジャニーさんが持っていたオープンリールのテープから映し出されるその映像は衝撃的だった。それ以来、マイケルに僕は完全に参ってしまったのだ。それは恋に堕ちたとでも言おうか」

 そして少年隊の東山紀之も、マイケル・ジャクソンが踊る姿に出会って、何もかもが変わったと語る。

「そう、この衝撃は忘れもしない、小学三年生でブルース・リーを初めて見たときと、同じものだ。十三歳の僕を震えさせたのは、マイケル・ジャクソン、その人だった。ジャニーさんがアメリカから取り寄せたビデオを、合宿所のリビングで、トシちゃんたちと見ていたときである。上へ上へと躍動するスレンダーな肢体が目に飛び込んできた。そのあまりのカッコよさに言葉を失った」

 そんなマイケルのステージを、SMAPと井ノ原はジャニー喜多川の用意したチケットで、しかも最前列で観ていたのである。

 その距離は井ノ原によれば「汗がかかった」。

 当時11歳だった香取もその日のことをはっきりと覚えている。

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この連載について

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SMAPとそのファンの物語—あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど

乗田綾子

転校を繰り返し、不登校にもなってしまった。思い焦がれた上京は、失敗した。願ったとおりの現実を生きるのは、難しい。だけど――。小学校低学年から30歳に至るまで、とある女性の人生にずっと寄り添っていたのは、親でも彼氏でもなくアイドルだった...もっと読む

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