——なぜ、「東京の夫婦」というテーマでエッセイを書こうと思ったんですか?
僕は福岡県北九州市で、奥さんは茨城県土浦市出身なんですけど、全く別の場所で生まれた人たちが東京出会って、東京で夫婦となり暮らすって、改めて面白いなと思ったんです。東京は、圧倒的にそうして生まれた家族が多い街。結婚をきっかけに、奥さんが、会ったこともない、九州の僕の母の介護をしなくちゃいけなくなることとかも含めて書いてみたいと考えたんです。
——連載は毎回、奥様に最初に見せているんですか?
いや、特には。ただ、校正チェックのFAXとか、家に送られてくる掲載誌で読んでいるみたい。
——奥様はどんな感想を?
「私、こんなこと言ってない!」って(笑)。雑誌の連載は決まった文字数におさめないといけないから、言葉を変換せざるを得ないんですよ。要約すると同じ意味ではあるんだけど、俺の、ちょっとした誇張や省略が気になるみたい。ものすごくきっちりした人なので。
——きちんとしているからこそ、松尾さんの苦手なあれこれを一手に引き受けて、頼りにされているんですよね?