ファンドマネージャーの叔父に話を聞きながら、株式投資について学ぶ28歳会社員のユリコ。「まずは3銘柄探そう」と言われたユリコは新聞やニュースを見て、興味が持てそうな会社を探そうとしますが、うまくいきません。「四季報とか読んだほうがいいですか?」叔父さんに聞いたところ、なぜか「街へ出ろ」と言われて……?
新聞を読むのもいいけど、街に出よう
ユリコ 叔父さんに言われた通り「まず3銘柄」と思って、興味が持てる会社を探してるんですけど、意外と難しいですね。
叔父 どういうふうに探してるの?
ユリコ 今はFacebookやTwitterで流れてくるニュースを見てチェックしてますね。あと、毎日使っている「LINE」【銘柄コード:3938】もいいかなと思って調べたんですけど、40万円くらい必要だったのでちょっと私には厳しかった。これからもっと伸びる若い企業としては、フリーマーケットアプリの「メルカリ」とかが身近だな~と考えたんですけど、まだ上場してなかったし……。上場してない株は買えないんですよね?
叔父 そう、この間「株式市場の魅力は、差別がないこと」という話をしたけど、逆に言えば株式市場に上場してない会社の株は、誰でも買えるわけじゃないんだよね。そういう場合は、株の持ち主から直接譲渡してもらう必要があって、ユリコちゃんみたいな個人で買うのは難しいね。
ユリコ ですよね……。GoogleのAI研究のニュースとかもよく見かけるので、投資したらいいのでは?と思ったけど、日本では上場してないし。海外の株式に投資する人もいるにはいるというのも調べたんですが、まだ日本ですら株を買っていない私にとって海外株は「近い」とは言えないから、まだ手を出さないほうがいいですよね。
叔父 うん、自分の感覚で、「近い」かどうかを確認するのは大事なことだね。
ユリコ というふうに、自分の興味の及ぶ範囲で銘柄を探そうとしたら、結構行き詰ってしまいました……。やっぱり、「四季報」(※)とか読んだほうがいいですか?
※四季報:東洋経済の発行する「会社四季報」のこと。年4回発行される。上場しているすべての会社の業績や財務状況を取材して最新の動向を掲載したぶあつい書籍。「投資家のバイブル」とも呼ばれる。
叔父 もちろん、いずれは「四季報」も参考にしてほしいけど、今のユリコちゃんにはまだまだやれることがあると思うよ。この間、ぼくは「株式投資をすると世界がカラフルに見えてくる」という話をしたよね?
ユリコ はい。
叔父 テレビやネットのニュースを見てるだけじゃ、まだまだ世界をカラフルに見ようとする努力が足りないよ。もちろんぼくも、「日経新聞」や「四季報」は参考にしてるけど、自分に合った投資先を探すうえで一番大切なのは「街を歩く」ことだと思っているんだ。
「いい会社」のヒントは街にあふれている
叔父 ユリコちゃんは、土日はどうやって過ごすことが多い?
ユリコ えーと、平日にたまっていた洗濯物を片付けたり、家事をひととおりやったりしたあとに、新宿や池袋に行って映画を観ることが多いかな。それで駅ビルで洋服や化粧品を見て、欲しいものがあったら買って、ちょっとお茶して帰ることもあります。
叔父 そうやって過ごしているなかでも、ユリコちゃんにとって「いい会社」のヒントはたくさんあるはずだよ。この間は、「そういえば最近@cosmeの知名度が上がっている気がする」というところからアイスタイル【銘柄コード:3660】に目を向けていたよね。それと同じで、「この映画館は何から収益を得ているんだろう」とか「新しくできたこのお店の運営会社はどこなのか」とか、連想ゲームをしていくと、これまで知らなかったけど自分に身近なことにかかわっている会社の存在に気づけるはずだよ。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。