やらない理由

浮きたくないが、人とかぶるのは嫌

第19回は「普通は嫌」ジレンマ。抜きん出る、というほど差をつけたいわけではなく、人よりもほんの少しリードしていたい。そんなジレンマを抱えたことはありませんか? それはおしゃれのテクニックだったり、コレクションの種類や量だったり、人によってさまざまだと思います。カレー沢薫氏流のジレンマとの向き合い方、今回もスッキリできることをお約束します!

“個性的”という魅力について

今回のテーマは「浮きたくないが、人とかぶるのは嫌」だ。

これは、個人差はあれど誰もが一度は陥る思想である。
「普通は嫌だ」そんな想いが、いつでも俺たちを普通以下にしてきた、その雄姿は卒業アルバムや文集にしかと刻まれ、それを見るたびに「普通」の尊さを知るのである。

つまり「人とかぶるのは嫌」という自意識がスパークした状態がいわゆる「中二病」である。ただ大きな違いは、中二病は「浮きたくない」などという小賢(こざか)しいことは考えない、むしろ全力で回りの凡愚どもから浮上したいと思っている、もちろん漆黒の翼(片翼)でだ。

つまり「浮きたくないが、人とかぶるのは嫌」というのはかなり大人になっており、普通の尊さも知っているが、それでもやっぱり人と違うと思われたい、という中二心が捨て切れていない状態である。

では、人と違う、個性的だと思われることがそんなに良いかというと、残念ながら、いくつになってもちょっと良いのだ。私など、AB型であることを「へえー」とちょっと感嘆めいたリアクションをされただけで、得意満面である。たかがAB型如きでこれなのだから、もしチンパンジーと全く同じ血が流れていて、緊急輸血が必要になった際「お客様の中にチンパンジーの方はいらっしゃいませんか!」という放送が鳴り、みなの全注目が自分に集まった時点で「承認欲求満たされ死」すると思う。

やはり人間、他人と何か違う物を持っていて、さらにそれを他人に認知してもらいたいと思っているものである。しかし、個性的、変わっている、普通ではない、というのは時としてデメリットとなり、大人になるとそれはさらに加速する。

プラスだと思っていたことがマイナスになる瞬間
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カレー沢薫

「エッチはしたいが、付き合うのは嫌」。多かれ少なかれ誰もが抱える他人には打ち明けづらい虫のいい話。OL兼漫画家・コラムニストのカレー沢薫さんが挫折と諦めを肯定、それが正しいことだと示す当コラムで、スカッと爽快なメンタルヘルスを目指しま...もっと読む

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コメント

a_tocci ただ大きな違いは、中二病は「 2年弱前 replyretweetfavorite

a_tocci つまり「人とかぶるのは嫌」という自意識がスパークした状態がいわゆる「中二病」である。 https://t.co/K5ZNyOIqTV 2年弱前 replyretweetfavorite

alpaca_moco 輪からはみ出ず優越感を得るために頑張っている人間が「キラキラ()」「意識高い系(大草原)」「マウンティングゴリラ」である。 約2年前 replyretweetfavorite

ADHD73888136 多分、このジレンマの果てに「ちょっと珍しい眼鏡フレームを選ぶ」みたいな行動をとってしまうんだろう。身に覚えがありすぎて胃が痛い。 約2年前 replyretweetfavorite