ゴールドマン・サックス証券(GS)が3年前から取り組むのが、LGBTの学生に向けた採用活動だ。人事担当者と社内のLGBTネットワークが協力し、LGBTの学生を集めて独自の就職説明会を開いている。
説明会では通常の会社説明に加えて、LGBTの社員が数人登場し、パネルディスカッションを行う。学生からは「LGBTとして日々の業務で不都合なことはないか」「会社の福利厚生やサポート体制はどうなっているか」などの質問があり、社員は体験を交えながら自分の言葉で答える。
新卒採用がスタートする秋にLGBTの学生を対象とした就職説明会を行う。LGBTの社員によるパネルディスカッションでは、学生の質問に真摯に答える
選考に当たっては、LGBTだからといって優遇するわけではない。他の就職希望者と同様に、書類審査、筆記試験、数回の面接と進んだ上で、採用を決める。
ただ、ネットワークのメンバーが、面接に進んだ学生のメンターとなったり、面接官にアドバイスをしたりとサポートは手厚い。
独自の採用活動の狙いは、性的指向にかかわらず優秀な人材を確保すること。LGBTの学生からすると、金融機関の企業風土は“集団主義”を重んじるイメージが強く、外資系といえども金融機関であるGSは就職先として興味を持たれることが少ないのだが、それを払拭したいという。