やらない理由

おごられるのはいいが、おごるのは嫌

第15回は「ごち」ジレンマ。多くの人が抱えているのではないでしょうか。会社員でなくとも社会に出ると「おごり」「おごられ」問題というのが、学生の頃よりも頻繁に登場します。そして歳(とし)を重ねるごとに「おごるべきか?」「おごる必要はないのか?」問題へと発展。その後に芽生えるのが今回のジレンマなわけです。カレー沢薫氏の見解やいかに!?︎

おごられることに、ためらいは不要

今回のテーマは「おごられるのはいいが、おごるのは嫌」だ。

おごり、最高だ。

よく働かずに食う飯が美味いか、などというが美味いに決まっている。
むしろ、おごりというだけで不味(まず)がるなんて、食い物への冒瀆(ぼうとく)ではないか、誰の金だろうがわざわざ食卓に並んでくださったのだから、おいしく食べるべきだろう。

ちなみに私などは、あまりに私がソシャカスなため、他人からグーグルプレイカードの施しを受けることがある。それで高レアカードが出たとしても「これは自分の実力で出したものではない」などと言って捨てるなどということはまずありえない、即ロックだ。
たとえ何も出なかったとしても、自分の懐が痛んだわけではない、つまりおごりというのは得しかなく、少なくとも損はないのだ。

「海水をたらふく飲ませてやる」と言われた場合は得がなく、むしろ損じゃないかと思われるかもしれないが、それはおごりではなく殺意なので、早急に席を立とう。
よっておごられるだけならいくらでもおごられたい。

しかし、おごるとなると話は全く別である、まず物理的に自分に得は一切ない、金銭的にはマイナスだ。

それに我々が日々、何故やりたくもない仕事をやっているかというと、自分が生きるため、または趣味など、自分の人生の楽しみのためである。
そのために、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び、ドラえもんに泣きつくのび太の如(ごと)く「わ~ん!ロキソニ~ン!また上司にいじめられたよ~」と大声で独り言をいいながらボリボリ頑張っているのである。
それが「ハルシオ~ン!」になってきたらちょっと頑張りすぎなので休養した方がいいだろう。

「おごる」という行為にふさわしい人間とは?
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カレー沢薫

「エッチはしたいが、付き合うのは嫌」。多かれ少なかれ誰もが抱える他人には打ち明けづらい虫のいい話。OL兼漫画家・コラムニストのカレー沢薫さんが挫折と諦めを肯定、それが正しいことだと示す当コラムで、スカッと爽快なメンタルヘルスを目指しま...もっと読む

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コメント

sho_youma 珍しくあまり横道に逸れず、バシバシと真実ばかりを突いてくるな…… いやほんと、感謝以上の見返りを期待こそすれ、求めてはいけない。 2年以上前 replyretweetfavorite

alumi_hal ワイ、元々おごられるのがあまり好きじゃないんだけど、それは自分がおごられるに値しない人間だからなのだなあ、としみじみ思った。お返しできないのもあるけど 2年以上前 replyretweetfavorite

kuma_930 ごもっともとしか言えない>おごったんだからやらせろと迫るようではもはや犯罪 2年以上前 replyretweetfavorite

marepon 本筋ではないけど闇が深くてスクロールの手がとまった(しかし大いに共感) 『「わ~ん!ロキソニ~ン!また上司にいじめられたよ~」と大声で独り言をいいながらボリボリ頑張っているのである。』 https://t.co/2hBPfRgqYn 2年以上前 replyretweetfavorite