嫌なことがあった後のお金の使い方
何ヶ月も前から準備してきた仕事の企画。
ここまでこぎ着けるのには、さまざまな苦労があった。
ようやくめどがついてホッとしたのも束の間、上司から呼び出されたあなたは信じられない言葉を聞く。
「君の進めている例の企画、クライアントの都合で、悪いけど今回は中止ということで」
目の前が真っ暗になって、どこをどう歩いたのかすら覚えていない。
なんとか自宅にたどり着いたものの、放心状態で何もやる気がおきない。
「もう、二度と立ち直ることはできないかもしれないな……」
部屋の片隅にうずくまり、あなたはそんな言葉をつぶやく。
それから1時間後。あなたは、なんだか急に腹が立ってくる。
「なんで俺だけがこんな目に遭わなきゃいけないんだ! あんなに一生懸命企画していたのに。よーし、こうなったらウサばらしだ。前から欲しかったフィギュアを通販で買ってやる!」
そう叫ぶと、あなたは、おもむろにパソコンを立ち上げた。
そして、趣味で集めているガンプラの通販サイトをあちこちサーフィンし、もう一年以上「買おうかどうしようか……」と迷っていたウン十万円もするプレミアムなガンプラをワンクリックで購入してしまう。
「嫌なことがあったときは、パァーッとお金を使っちゃえばいいんだよ! そのために給料もらってるんだからさ! ハッハッハッハ!」
あなたは、そう言ってパソコンの前で笑ってみせる。
が、妙にむなしさと脱力感が襲う——。
ヤケ買いした商品がガンプラかどうかは別として、おそらく誰もが一度くらいはこんな経験をしたことがあるのではないだろうか。
嫌なことがあったとき、パァーッとお金を使ってウサ晴らしをするというのも、たしかにひとつのストレス解消法だ。これでスッキリするのなら、私も止めはしない。
しかし、このようにヤケ買いしてしまうと、たいていの場合後悔することになる。
1ヶ月後に、クレジットで支払った「パァーッと使ってしまった料金」の請求が送られてきたときには、再びドーンと落ち込み、かえってストレスを溜め込むことになるのだ。
では、嫌なことがあったときは、どうやって解消すれば良いのだろうか。