AIによるビッグデータの分析
続いて、テクノロジーと暮らしの関係を展望していくためのふたつめの視点です。テクノロジーは共同体をささえる装置に進化していくということを説明していきましょう。
この視点は、いまの状況を見ると、なんだか矛盾するようにも見えるでしょう。
昔から、インターネットに反感を持っている人たちは、くりかえし「ネットは人を孤独にする」といった言説を主張してきました。インターネットをビジュアル化したイメージというのは、たいていの場合「照明を落とした、暗く乱雑な部屋の中で、不健康な若者が青白い液晶モニターにしがみついてキーボードをパチパチ叩いている」というようなステレオタイプです。
これらは極端にしても、実際、インターネットのテクノロジーは、「パーソナライズ」と呼ばれる個人への最適化に進んでいるように見えます。
パーソナライズはたしかに、情報があふれかえっている中で、的確に自分のほしいものを見つけ出せることを可能にしつつあります。なぜこれが孤独に向かうのではなく、共同体につながっていくといえるのでしょうか? 迂回しながら説明していきましょう。