昨年11月、ライターの雨宮まみさんが亡くなった。
Twitterのタイムラインを流れてきた訃報記事はにわかに信じがたく、幾人かの知り合いと「本当なのでしょうか」とメッセージを交わし合った。皆、突然の知らせに理解が追いつかず、混乱しているようだった。
その2週間前、拙詩集に推薦エッセイを書いていただき、ご本人から刊行のお祝いと励ましのメールを受け取ったばかりだった。
私が雨宮さんと直接お会いしたのは一度だけ。2016年9月25日、雨宮さんと岸政彦さんのトークイベント終了後のサイン会でのことだった。お二人の愛に会場全体が包まれているような、和やかなイベント。一読者としてトークを楽しみ、ご挨拶も兼ねて(まだ推薦エッセイを依頼する前だった)サイン会まで残ることにした。
「雨宮さん」と検索しても
「文月さん、ですね……!」
雨宮さんの背筋がすっと伸びた。丸帽子の陰から覗くまっすぐな目に、どきりとする。