視聴率を獲るための秘伝教えます
テレビ番組を作っているときの至上命題、それは視聴率を獲ることです。
視聴率を取らないとどんなにいい番組を作っていても、番組は終わってしまいます。そうならないように僕らは心血を注いで日々番組を作り続けます。
僕が2001年に金スマを立ち上げたとき、最初の1年半はなかなか視聴率に苦労しました。しかしある日、ちょっとした事実に気づいた瞬間、瞬く間に視聴率が上昇したのです。
今回は、そんなとっておきのお話をしたいと思います。
題して、“視聴率を上げるとっておきの秘密”。
“おばちゃん”が見る番組は視聴率が高い。
僕らがよく耳目にする視聴率とは世帯視聴率です。しかしその視聴率は性別と年代別でカテゴリーに分かれても出ています。
4歳から12歳がC層(チャイルド)
13歳から19歳がT層(ティーン)
20歳から34歳が、男性がM1層で、女性がF1層
35歳から49歳が、男性がM2層で、女性がF2層
50歳以上が、男性がM3層で、女性がF3層
みなさんもご存知だとは思いますが、日本の高齢社会化にともない、M3、F3が多く、いくらティーン層に受ける番組を作っても、高齢層が見ないと、結局は全体の視聴率が取れないのです。そして特にテレビを見ている方は女性が多いので、必然的に僕らはF2層、F3層に見てもらえる番組を目指します。
F2層、F3層いわゆる“おばちゃん”ですね。いかにおばちゃんに好きになってもらうかで、番組の視聴率は変わるのです。
金スマは、中居正広さんMCの番組です。まさにターゲットは女性。セットの後ろには100人の赤いミニスカートの制服を着た女性がいます。まさに女性が見たくなる番組を作ろうと2001年に立ち上げた番組なのでした。僕は立ち上げの時、チーフディレクターをやっておりました。
視聴率を上げるため、いかにもおばちゃんが好きな企画をやりました。ホスト企画もやりましたし、お掃除企画、安売り企画、ダイエット企画、しかしなかなか視聴率は上がらず、苦戦していたのでした。
「おばちゃんは一体どんな企画だったら見たくなるのだろう?」
そんなことを日々考えて連日遅くまで放送作家やスタッフと企画会議を続けていたのでした。
番組を一変させたスマップのエピソード
そんなある日、悶々とした会議中に、構成作家の鈴木おさむ氏と二人で深夜に雑談していてふとスマップのライブコンサートの話になったのでした。
おさむさんは言いました。