そんな誤解の中起きてしまったのが、16年5月に発生した米テスラ・モーターズの自動車の死亡事故だ。ドライバーは、「オートパイロット」と呼ばれる自動運転機能を使用中にトレーラーと衝突。強い逆光でカメラが正常に認識しなかったことが原因だといわれているが、そもそもこのテスラ車自体が、完全な自動運転車ではないという事情がある。
【 第1回】テスラ事故で露呈した自動運転の誤解
2017年2月26日
AIの実用化において、自動運転は最も市販化が早く、そして期待値が高い技術だ。それだけに、ボタン一つでどこにでも行けるかのような幻想を抱いている人も少なくない。だが、実際は、とても自動運転を名乗れるものではない。期待と現実を混同し、誤解する人々が絶えない構図は、まさに玉石混交のAI社会の縮図といえるだろう。
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