欅坂46=堤清二+尾崎豊
柴那典(以下、柴) もう何度も言ってきたことですけど、秋元康さんって、やっぱりとんでもない人だなって思うんですよ。
大谷ノブ彦(以下、大谷) おっ。ひょっとして欅坂46のことですか?
柴 そうそう。前に「AKB48の歌詞は女の子たちの観察日記として書いている」という話をしたじゃないですか。でも、欅坂46ではまったく書き方を変えてきた。どっちかと言うと「詩人・秋元康」のセンスが爆発してるというか。大谷さん、「二人セゾン」はどうでした?
大谷 僕はどうしてもこの曲、90年代の渋谷系と重ねちゃうんですよ。それを今の時代にアップデートしたような感じがする。
柴 たしかに欅坂46の曲って、ほとんど「渋谷」がキーワードになってるんですよね。デビュー曲の「サイレントマジョリティー」はMVを渋谷駅の工事現場で撮っている。
大谷 そのカップリングが「渋谷川」だしね。
柴 そうなんですよ。「君は知ってるかい? 渋谷川って…」って歌っているんだけど、まさにあの工事現場の地下を流れているのが渋谷川だったりする。
大谷 たしかにね。そういえば『世界には愛しかない』のカップリングには「渋谷からPARCOが消えた日」が入っている。
柴 そうそう。いろんな曲で渋谷の再開発がテーマになっている。ということは、つまり、僕の仮説では、秋元康は現代の堤清二になろうとしているんじゃないだろうか?と思ってるんです。