こんにちは、外科医の雨月メッツェンバウム次郎です。
時候は大寒を迎え、東京でもときおり雪がちらつくなど寒さが本格化しています。先日、30階のレストランで食事をしていたら窓の外は雪に。でも食事を終えて地上に降りると、雪は全く降っていなかったのです。そんなこともあるんですね。上空は気温が低いので、上空だけ雪ということもあるみたいです。天上人だけが楽しむ雪の舞。なんとも優雅な。
ちょっと前のことです。私はいつものように日中の手術を終えると、いそいそと築地に向かいました。築地と言えば築地市場で有名ですね。今は特に市場を移転するかどうかで大モメしているので、都内にお住みでない方も耳にしたことはあるでしょう。ここは「場内」、つまり市場の中に寿司屋が並んでいたり、「場外」、つまり市場の外にもいろんなお店が並んでいます。私はたまにこの「場外」の飲み屋さんに行くのですが、これがまた旨い。もう異常と言っていいほど旨いのです。
場外のそのお店に行くと、そこですでに飲んでいたのは数人の男女の友人たち。
「遅いよ雨月」
「悪い悪い」
挨拶を交わし、生ビールで乾杯します。寒い中を歩いてきたこの冷え切った体に、湯気が立ち上る暖かい店内で、ジョッキの周りがまだ凍っているつめたい生ビールを飲むのは本当に美味しいですね。いや、そんなことはないよと言うあなたは、猛暑のうだるような暑い日に、ガンガンにクーラー16度で冷やしたビルの一室で、激熱の大量七味入り鍋焼きうどんをふーふーながら食べる方がお好きでしょうか。いや、マイナス20度の旭川の冬に、床暖房とストーヴで汗をかくほど暖かい部屋でかちかちに凍ったガリガリ君を……って、もういいですか。
それはともかく、乾杯をし、わいわいと豊かな時間がテーブルの上を流れるといつしかみんなの話題は恋愛談義に。そのメンバーはみなアラサーなのですがお互いが恋愛関係になったことはなく、それぞれが余所で彼氏や彼女を作っているという不思議な会なのです。そして、お互いを恋愛対象としては全く見ていないからか、かなり本音の恋愛トークになることも多々。
その日話していたのは、「結婚」について。もはや私の専門とも言えるこの結婚(ができない)話ですが、そのメンバーにはバツイチが一人いるだけであとは結婚経験がない男女でした。
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