てれびのスキマ(戸部田誠)
ビートたけしに罵倒され蹴られても「ウフフフフ」と笑う鶴瓶
東京での地位を固めた90年代、鶴瓶さんはしだいに「いつも笑顔の落ち着いたおじさん」として認識されるようになりました。温厚なイメージに隠されていた狂気は、しかし、ある番組でついに爆発します。その背景にはビートたけしさんの存在がありました。
芸歴40年を超える大御所芸人、笑福亭鶴瓶。還暦を過ぎた今も、若手にツッコまれ、イジられ、“笑われ”続けています。そんな鶴瓶さんの過剰なまでに「スケベ」な生き様へ迫る、てれびのスキマさん評伝コラムです。
「このクソデブ!」
ビートたけしは、笑福亭鶴瓶の背後からお尻を蹴り倒した。鶴瓶は勢い良く、綺麗に刈り込まれた植木に身体ごと飛び込んだ。 そんな2人を止めようとしているのが、今田耕司と東野幸治。 4人ともが11月の寒空の下、上半身裸でブリーフ一丁である。
テレビの中でもがいていた鶴瓶
1997年11月8日にテレビ朝日で放送された特別番組『27時間ぶちぬきスペシャル 熱血チャレンジ宣言'97』の中で結成された、いまや伝説とされるユニット「ブリーフ4」だ。その名の通り、ブリーフ一丁で街の様々なところに出没し、やりたい放題の限りを尽くした。
中でも究極だったのが、丹波哲郎邸を訪れたときだ。鶴瓶は前のロケ地である寿司屋で酒を飲み過ぎ泥酔していた。
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cakes連載を全面修正・加筆した、スケベで奥深い人生哲学が一冊になりました。
この連載について
てれびのスキマ(戸部田誠)
芸歴40年を超える大御所芸人、笑福亭鶴瓶。還暦を過ぎた今も、若手にツッコまれ、イジられ、“笑われ”続けています。しかし、落語家なのにアフロヘアでデビュー、吉本と松竹の共演NGを破った明石家さんまさんとの交流、抗議を込めて生放送で股間を...もっと読む
著者プロフィール
1978年生まれ。2015年にいわき市から上京。お笑い、格闘技、ドラマなどを愛する、テレビっ子ライター。別名義は「てれびのスキマ」。『週刊文春』『週刊SPA!』『水道橋博士のメルマ旬報』などで連載中。
新刊は日テレがいかに絶対王者フジテレビを逆転できたのかを描いた『全部やれ。』、主な著書に『笑福亭鶴瓶論』(新潮新書)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)など。