てれびのスキマ(戸部田誠)
上岡龍太郎「おまえ、俺の悪口をいうてるやろ」鶴瓶「はい、言ってます」
今や伝説の番組『鶴瓶上岡パペポTV』で10年以上にわたり鶴瓶さんと共演した上岡龍太郎さん。対照的な2人がそれぞれ持っていた「正直」さとは一体、どのようなものだったのでしょうか。
芸歴40年を超える大御所芸人、笑福亭鶴瓶。還暦を過ぎた今も、若手にツッコまれ、イジられ、“笑われ”続けています。そんな鶴瓶さんの過剰なまでに「スケベ」な生き様へ迫る、てれびのスキマさん評伝コラムです。
「見てるあんたも同罪じゃ。」
そんな鮮烈なコピーが書かれたセンセーショナルなポスターが作られた。 コピーを際立たせるのは、その写真。燕尾服姿にきめた二人の男が立っている。 笑福亭鶴瓶と上岡龍太郎である。
しかし、下半身はなにも履いていない。 局部がモザイクで隠されているだけ。まさに「見てる」僕たちに「同罪」だと訴えかける。 『鶴瓶上岡パペポTV』のポスターである。
むく男、むかない男
コピーを書いたのは鶴瓶が「毒の人」※1だという糸井重里。写真を撮ったのは浅井慎平。
それは番組の精神を如実にあらわしていた。
撮影はすぐに終わった。 何枚も撮ることなく、浅井は「いいよ!」「いいですね!」と下半身丸出しの男を手早く撮影した。 準備中も上岡はぶらんと丸出しのまま何も言わず堂々と待っていた。
一方、鶴瓶は違った。 撮影風景を見ていた糸井はこう証言している。
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cakes連載を全面修正・加筆した、スケベで奥深い人生哲学が一冊になりました。
この連載について
てれびのスキマ(戸部田誠)
芸歴40年を超える大御所芸人、笑福亭鶴瓶。還暦を過ぎた今も、若手にツッコまれ、イジられ、“笑われ”続けています。しかし、落語家なのにアフロヘアでデビュー、吉本と松竹の共演NGを破った明石家さんまさんとの交流、抗議を込めて生放送で股間を...もっと読む
著者プロフィール
1978年生まれ。2015年にいわき市から上京。お笑い、格闘技、ドラマなどを愛する、テレビっ子ライター。別名義は「てれびのスキマ」。『週刊文春』『週刊SPA!』『水道橋博士のメルマ旬報』などで連載中。
新刊は日テレがいかに絶対王者フジテレビを逆転できたのかを描いた『全部やれ。』、主な著書に『笑福亭鶴瓶論』(新潮新書)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)など。