はあちゅう、小説の書き方を相談する
吉本ばなな(以下、吉本) はあちゅうさんって、最近は小説も書いてますよね?
はあちゅう はい。今年のはじめに1冊『とにかくウツなOLの、人生を変える1か月』という本を出していて、これは小説と自己啓発の中間のような本なんです。それで、次はもうちょっと小説っぽい小説を書こうと思って、ずっとがんばって書いていたんですが、その原稿をこの間、いろいろあって、ぜんぶボツにしちゃったんです。14万字くらい。
吉本 えー。もったいない!
はあちゅう 家で一人で黙々と書くのってたいへんですよね。ばななさんは、ずっと書いているとだんだんつらくなってきたりってないんですか?
吉本 そういうときは外に出て気を紛らわしたり、ネットで無意味に買い物をしてみたり。そうしてしのぎます。
はあちゅう あ、それは私もします(笑)。
吉本 で、書いていくうちに、物語の中に楽しいことが増えてきて、外に出られなくなる(笑)。
はあちゅう そこがすごいなあ。一人で進めていて、いま書いてることが世の中に受けいれられるかどうか、不安になったりはしないですか。
吉本 それはないなあ。私、5歳から書いているから。もう書くことは生活の一部で、ただ淡々と書いている。そこまでいったら楽ですよ。でも、はあちゅうさん、14万字も書くなんてすごいよ(笑)
はあちゅう なんか、書いてる間、小説として成立しているのかが不安で……。1作目は、プロットを書かずに書いたんですけど、同じやり方で2作目を書こうとしたら上手くいかなかったんです。
吉本 そっかあ。
はあちゅう 半年間ずっと「これを出すんだ!」とがんばってきたから、8月末にダメになってから、書けなくなっちゃったんです。だから今は、お休み期間のような気持ちになっています。
吉本 一から書き直しは、私もよくやります。